FLOW RATE CONVERSION GUIDE
L/minとm³/hは、体積と時間を同時にそろえて変換する
L/min(リットル毎分)とm³/h(立方メートル毎時)は、どちらも体積流量を表す単位です。 ポンプ、流量計、冷却水、循環水、薬液供給、水処理、設備配管などで頻繁に使われます。
変換自体は単純ですが、リットルから立方メートルへの体積換算と、分から時間への時間換算を同時に行う必要があります。 この記事では、計算式と早見表だけでなく、ポンプ性能曲線、流量計レンジ、配管流速、積算量、ガス流量での注意点まで実務向けに整理します。
この記事でわかること
- 0.06と16.6667を使う理由
- L/min・m³/hの早見表
- ポンプカタログの比較方法
- 配管流速・積算量の計算
- ガス流量で単純換算できない例
例:20 L/min × 0.06 = 1.2 m³/h
例:3 m³/h × 16.6667 ≈ 50 L/min
QUICK ANSWER
結論:L/minとm³/hはこの式で変換できる
L/minからm³/hへ変換するときは0.06を掛けます。反対に、m³/hからL/minへ変換するときは16.6667を掛けます。 16.6667は1000 ÷ 60の近似値です。
例:80 L/min = 80 × 0.06 = 4.8 m³/h
例:4.8 m³/h = 4.8 × 16.6667 ≈ 80 L/min
WHY THE FACTOR?
なぜ0.06と16.6667になるのか
1 m³は1000 L、1時間は60分です。L/minからm³/hへ変換するときは、1分あたりの値を1時間あたりへ直すため60を掛け、その後Lをm³へ直すため1000で割ります。
1分あたり1リットル
1時間は60分なので ×60
1000 L = 1 m³なので ÷1000
1 L/min × 60 min/h × 1 m³/1000 L = 0.06 m³/h
1 m³/h × 1000 L/m³ ÷ 60 min/h = 16.6667 L/min
単位を式の中に書くとミスを見つけやすい
数値だけで計算するより、L、m³、min、hを係数と一緒に書くと、不要な単位が打ち消されることを確認できます。 変換方向がわからなくなった場合は、最終的に残したい単位が分子・分母に残るよう係数を並べます。
UNIT BASICS
L/minとm³/hが表しているもの
リットル毎分
1分間に何リットル通過するかを表します。小型ポンプ、装置内冷却水、流量計、薬液供給など、比較的小さな流量で読みやすい単位です。
- 10 L/min = 1分に10 L
- 10 L/min = 1時間に600 L
- 10 L/min = 0.6 m³/h
立方メートル毎時
1時間に何立方メートル通過するかを表します。設備ポンプ、工場ユーティリティ、水処理、給排水、大きめの配管で使いやすい単位です。
- 1 m³/h = 1時間に1000 L
- 1 m³/h = 約16.67 L/min
- 1 m³/h = 約0.0002778 m³/s
どちらを使うべきか
単位を変えても流量そのものは変わりません。読みやすさと、周囲の資料・機器で使われる単位に合わせて選びます。 小型装置ではL/min、設備全体ではm³/hが扱いやすい傾向がありますが、社内資料では一つの基準単位へ統一し、元単位も併記すると照合しやすくなります。
CONVERSION TABLES
L/minとm³/hの換算早見表
よく使う値を一覧にしました。表の数値は換算値であり、ポンプや流量計の精度を示すものではありません。
L/minからm³/h
| L/min | m³/h | L/h |
|---|---|---|
| 0.1 | 0.006 | 6 |
| 0.5 | 0.03 | 30 |
| 1 | 0.06 | 60 |
| 2 | 0.12 | 120 |
| 5 | 0.3 | 300 |
| 10 | 0.6 | 600 |
| 20 | 1.2 | 1,200 |
| 30 | 1.8 | 1,800 |
| 50 | 3 | 3,000 |
| 100 | 6 | 6,000 |
| 200 | 12 | 12,000 |
| 500 | 30 | 30,000 |
| 1,000 | 60 | 60,000 |
m³/hからL/min
| m³/h | L/min | L/h |
|---|---|---|
| 0.01 | 0.1667 | 10 |
| 0.05 | 0.8333 | 50 |
| 0.1 | 1.6667 | 100 |
| 0.5 | 8.3333 | 500 |
| 1 | 16.6667 | 1,000 |
| 2 | 33.3333 | 2,000 |
| 3 | 50 | 3,000 |
| 5 | 83.3333 | 5,000 |
| 10 | 166.6667 | 10,000 |
| 20 | 333.3333 | 20,000 |
| 50 | 833.3333 | 50,000 |
| 100 | 1,666.6667 | 100,000 |
CALCULATION WORKFLOW
間違えにくい換算手順
- 1元の数値と単位をそのまま書く
「50」だけでなく「50 L/min」と記録します。 - 2変換方向を確認する
L/minからm³/hなら0.06、逆方向なら16.6667です。 - 3係数と単位を一緒に計算する
50 L/min × 0.06 = 3 m³/hのように書きます。 - 4概算で桁を確認する
L/minからm³/hでは数値が小さくなります。逆方向では大きくなります。 - 5最後に丸める
途中で丸めると、複数ステップ計算で誤差が積み上がります。 - 6元単位を残す
仕様書や選定表には「3 m³/h(50 L/min)」のように併記すると安全です。
換算後の大小関係で簡易チェックする
PUMP CATALOG
ポンプ仕様では流量単位をそろえた後に運転点を確認する
ポンプAが80 L/min、ポンプBが5 m³/hと書かれている場合、単位をそろえるとポンプAは4.8 m³/h、ポンプBは約83.3 L/minです。 ただし、この数値だけでポンプBの方が適しているとは判断できません。
遠心ポンプの実際の流量は、ポンプのQ-H曲線と、配管抵抗・静水頭を表すシステム曲線の交点で決まります。 カタログの「最大流量」は揚程が低い側の値であることが多く、必要揚程で同じ流量が出るとは限りません。
流量換算と一緒に確認する項目
| 項目 | 確認内容 | 流量との関係 |
|---|---|---|
| 全揚程・吐出圧 | 必要な運転条件での値 | 揚程が変わると流量も変わる |
| 回転数・周波数 | rpm、50 Hz、60 Hz | 回転数違いの曲線を混同しない |
| 羽根車径 | 曲線ごとのインペラ径 | 同じ型式でも流量特性が変わる |
| 液体条件 | 密度、粘度、温度 | 水試験値を高粘度液へそのまま適用しない |
| 効率・BEP | 最高効率点付近か | 過小流量・過大流量運転を避ける |
| NPSH | NPSHAとNPSHR | キャビテーション余裕を確認する |
FLOWMETER & PLC
流量計・PLCでは表示単位と設定単位をそろえる
流量計本体の表示がL/min、仕様書や監視画面がm³/hという構成は珍しくありません。 換算係数だけでなく、瞬時流量と積算流量、アナログ出力レンジ、PLC内部の工学単位を区別します。
例:0~100 L/minの流量計をm³/h表示にする
4~20 mAを0~100 L/minへ割り当てた流量計なら、PLC側で0~6 m³/hへスケーリングできます。 ただし、流量計内部ですでに単位変換や温度補正が行われている場合があるため、出力仕様の工学単位を確認してください。
瞬時流量と積算流量を混同しない
L/min、m³/hなど。「今どの程度流れているか」を表します。
L、m³など。「これまでに合計どれだけ流れたか」を表します。
PIPE VELOCITY
流量と配管流速の関係
L/minとm³/hは体積流量です。配管内の平均流速は、体積流量を配管の実断面積で割って求めます。 同じ流量でも、内径が小さいほど流速が高くなります。
Q:体積流量(m³/s)、A:断面積(m²)、v:平均流速(m/s)
Dには呼び径ではなく、計算対象となる配管の実内径を使います。
例:内径50 mmの配管に100 L/minを流す
1100 L/min = 0.1 m³/min = 0.0016667 m³/s
2A = π × 0.05² ÷ 4 ≈ 0.0019635 m²
3v = 0.0016667 ÷ 0.0019635 ≈ 0.85 m/s
許容流速は流体、配管材質、騒音、圧力損失、腐食・エロージョン、吸込・吐出側などで異なります。 単位換算だけで配管径を決めず、設計基準と圧力損失計算を確認してください。
TOTAL VOLUME
流量から積算量・供給時間を求める
L/minとm³/hを理解すると、一定時間の使用量、タンク充填時間、薬液供給量も計算できます。
流量と時間の単位をそろえてから掛けます。
タンク容量と流量を同じ体積単位にそろえます。
120 L/minを8時間運転
120 L/min = 7.2 m³/h
7.2 × 8 = 57.6 m³
停止時間や流量変動がある場合は、実運転時間・実測値を使います。
2 m³タンクへ25 L/minで供給
2 m³ = 2000 L
2000 ÷ 25 = 80分
実際は液面余裕、配管残液、立上がり時間などを考慮します。
GAS FLOW CAUTION
ガスのL/minとm³/hは「基準状態の有無」を確認する
L/minとm³/hは液体にも気体にも使えます。体積と時間だけを変える場合は同じ0.06の係数を使えますが、 実流量と標準状態換算流量を相互に変換するには温度と絶対圧が必要です。
L/min・m³/h
実際の温度・圧力における体積流量として使われることがあります。機器仕様書で測定条件を確認します。
NL/min・Nm³/h
Normal条件へ換算した流量です。基準温度が0℃とは限らないため、定義を確認します。
SLM・SCCM・SCFM
Standard条件へ換算したガス流量です。メーカーや規格によって基準条件が異なる場合があります。
RELATED UNITS
L/min・m³/hと一緒に出てくる流量単位
| 単位 | 関係 | 主な用途・注意点 |
|---|---|---|
| mL/min | 1 L/min = 1000 mL/min | 定量ポンプ、試薬、微小液体流量 |
| L/h | 1 L/min = 60 L/h | 薬液注入、低流量ポンプ |
| m³/min | 1 m³/min = 60 m³/h | ブロワ、換気、大風量。時間単位に注意 |
| US GPM | 1 GPM = 3.785411784 L/min | 米国系ポンプ。Imperial GPMと区別 |
| CFM | 1 CFM ≈ 1.69901 m³/h | ファン・換気。SCFMとは条件が異なる |
| kg/h | 密度があれば体積流量へ換算可能 | 質量流量。水以外は密度を確認 |
| Nm³/h | 基準状態換算のガス流量 | m³/hと単純に同一視しない |
| SLM・SCCM | 1 SLM = 1000 SCCM | MFC、半導体、分析。基準条件を確認 |
WORKED EXAMPLES
L/minとm³/hの実務計算例
10 L/minをm³/hへ
10 × 0.06 = 0.6 m³/h
小型冷却水ラインの換算例です。
35 L/minをm³/hへ
35 × 0.06 = 2.1 m³/h
ポンプ仕様を設備側の単位へ統一します。
250 L/minをm³/hへ
250 × 0.06 = 15 m³/h
大きめの循環水ラインの換算例です。
0.3 m³/hをL/minへ
0.3 × 16.6667 ≈ 5 L/min
小数点の位置を概算でも確認します。
7.5 m³/hをL/minへ
7.5 × 16.6667 ≈ 125 L/min
流量計レンジの照合に使えます。
36 m³/hをL/minへ
36 × 16.6667 ≈ 600 L/min
36 ÷ 3.6 × 100と考える概算も可能です。
150 L/minを1日8時間使用
150 × 0.06 = 9 m³/h
9 × 8 = 72 m³/日
一定流量で連続運転した場合の概算です。
5 m³を2時間で送る
5 ÷ 2 = 2.5 m³/h
2.5 × 16.6667 ≈ 41.7 L/min
必要平均流量を逆算する例です。
COMMON MISTAKES
L/minとm³/hの換算でよくある間違い
Lをm³へ変えるため1000で割るだけ
時間がminからhへ変わるため、60倍も必要です。1 L/minは0.001 m³/hではなく0.06 m³/hです。
m³/hをL/minへ1000倍するだけ
1000 L/hになった後、1分あたりへ直すため60で割ります。1 m³/hは約16.67 L/minです。
m³/minとm³/hを見間違える
時間単位の違いで60倍の差が生じます。カタログの軸ラベルまで確認してください。
L/minとL/hを混同する
1 L/minは60 L/hです。薬液ポンプではL/hが多いため特に注意します。
換算値だけでポンプを選ぶ
流量は揚程・圧力とセットです。必要運転点でのQ-H曲線を確認します。
最大流量と定格流量を同じと考える
最大流量は特定の低揚程条件で示される場合があります。通常運転点とは限りません。
ガスのNm³/hをm³/hと同じにする
温度・圧力条件が違えば体積も変わります。NやSの定義を確認します。
配管の呼び径をそのまま内径にする
流速計算では実内径が必要です。材質やスケジュールで内径が変わります。
換算途中で早く丸めすぎる
複数の換算や積算計算では誤差が積み上がります。最後に必要桁数へ丸めます。
元の数値と単位を残さない
換算係数、元単位、運転条件を残すと、仕様変更や再確認時に追跡できます。
CHECKLIST
実務で使う前の確認チェックリスト
- 元の数値と単位を確認した
- L/minからm³/hか、その逆かを確認した
- min・h・sの時間単位を見間違えていない
- L・mL・m³の体積単位を見間違えていない
- ポンプでは必要揚程での流量を確認した
- 流量計の瞬時値と積算値を区別した
- ガスでは実流量か基準状態換算流量か確認した
- 配管流速計算には実内径を使った
- 計算途中では十分な桁数を保持した
- 元単位・換算値・条件を記録に残した
SOURCES & EDITORIAL
参考資料・運営者情報
主な参考資料
- NIST Guide to the SI, Appendix B: Conversion Factors
- NIST Handbook 44 (2026), Appendix C
- U.S. Department of Energy: Pump Selection Considerations
- Grundfos: Pump curves
単位関係は公的な換算資料を基礎とし、ポンプの運転点・性能曲線は公的機関およびポンプメーカーの技術資料を参照して整理しています。
記事の利用上の注意
本記事は単位換算と仕様確認のための一般情報です。ポンプ・流量計・配管の選定、薬液・ガス設備、安全設計、取引用計量では、 必ず最新の製品仕様書、適用規格、法令、メーカー見解、設計担当者の判断を優先してください。
運営者・編集方針
244divは、便利なアプリと、それに関連する実用知識をわかりやすく整理するサイトです。 単なる換算結果だけでなく、仕様書や実務で取り違えやすい条件まで確認できる記事づくりを行っています。
FAQ
L/minとm³/hについてよくある質問
Q1. 1 L/minは何m³/hですか?
1 L/minは0.06 m³/hです。L/minの数値に0.06を掛けます。
Q2. 1 m³/hは何L/minですか?
1 m³/hは約16.6667 L/minです。m³/hの数値に16.6667を掛けます。
Q3. 100 L/minは何m³/hですか?
100 × 0.06 = 6なので、100 L/minは6 m³/hです。
Q4. 10 m³/hは何L/minですか?
10 × 16.6667 ≈ 166.67なので、約166.7 L/minです。
Q5. なぜL/minからm³/hは0.06倍ですか?
1時間が60分、1 m³が1000 Lだからです。60 ÷ 1000 = 0.06になります。
Q6. なぜm³/hからL/minは16.6667倍ですか?
1 m³を1000 Lへ変え、1時間あたりから1分あたりへ直すため60で割ります。1000 ÷ 60 = 16.6667です。
Q7. L/minとm³/hは液体だけの単位ですか?
気体にも使えます。ただし、気体では温度・圧力と、実流量か標準状態換算流量かを確認する必要があります。
Q8. Nm³/hをL/minへ0.06で変換できますか?
同じ基準状態のNL/minへ体積・時間だけを変えるなら可能ですが、実L/minへ直す場合は温度・絶対圧の条件が必要です。
Q9. ポンプの最大流量を換算すれば選定できますか?
できません。必要揚程・配管抵抗で決まる運転点、効率、液性、NPSHなども確認します。
Q10. 50 Hzと60 Hzで流量は変わりますか?
ポンプやモーターの構成によって変わる場合があります。カタログの周波数・回転数別の性能曲線を確認してください。
Q11. 換算値は小数何桁まで使いますか?
元データの有効数字と用途に合わせます。途中計算では桁を保持し、最後に表示・提出に必要な桁数へ丸めます。
Q12. L/minから1日の使用量を求める方法は?
L/min × 60 × 運転時間(h)でLを求め、1000で割るとm³になります。流量が変動する場合は実測積算値を使います。
SUMMARY
まとめ:0.06の意味を理解し、運転条件まで確認する
- 1 L/min = 0.06 m³/h
- 1 m³/h = 約16.6667 L/min
- L/minからm³/hへは、60を掛けて1000で割る
- m³/hからL/minへは、1000を掛けて60で割る
- ポンプは流量だけでなく、必要揚程での運転点を確認する
- 流量計では瞬時流量・積算量・出力レンジを区別する
- 配管流速の計算にはm³/sと実内径を使う
- ガスのN・S付き単位は基準温度・基準圧力を確認する
- 換算途中では丸めず、元の値と単位を記録に残す
UNIT CONVERSION APP
流量・圧力・温度などをまとめて確認したい方へ
L/minとm³/hの単発換算は、この記事の式と早見表で確認できます。 GPM、mL/min、圧力、温度、長さなど複数の単位を日常的に扱う場合は、単位換算アプリ「MyUnit」も利用できます。
既存単位の一括換算、カスタムカテゴリ・単位、複数ステップの換算ルール、CSV出力に対応しています。




