Pump Selection Guide

ポンプ選定では、流量の単位をそろえるだけでは不十分です。必要流量を決め、配管や高低差から全揚程を求め、 ポンプ性能曲線とシステム曲線の交点である「運転点」を確認します。さらに、液体の密度・粘度、必要動力、 吸込条件を表すNPSHまで確認して、初めて実際の運転条件に合うポンプを絞り込めます。

対象:設備・製造・水処理・薬液供給 最終確認:2026年7月12日 計算例:SI単位を中心に解説
先に結論
  • 流量は、必要量を L/min・m³/h・GPM など同じ単位へそろえる
  • 全揚程は、高低差だけでなく、吐出先圧力・配管損失・速度差まで含めて考える
  • 運転点は、ポンプのQ-H曲線と設備側のシステム曲線が交わる点で決まる
  • 密度は圧力と動力に、粘度は流量・揚程・効率・動力に影響する
  • NPSHANPSHRを十分に上回る吸込条件を確保する

ポンプは「最大流量」や「最高揚程」の数字だけで選ばず、必要流量と必要全揚程を同時に満たす運転点で比較します。

ポンプ選定で確認する単位一覧

ポンプのカタログや仕様書では、流量と揚程のほか、圧力、回転数、効率、軸動力、NPSH、液体特性などが同じ図表に並びます。 最初に「何を表す数値なのか」を整理すると、単位換算だけ合っていて選定条件が違う、というミスを防ぎやすくなります。

項目 主な単位・表記 意味 選定時の確認点
流量 L/min、m³/h、mL/min、US GPM 単位時間あたりに送る液体量 通常・最小・最大流量、連続か間欠か
揚程 m、mH₂O、mAq、ft 液体へ与える単位重量あたりのエネルギー 実揚程、圧力水頭、配管損失を含む全揚程
圧力 Pa、kPa、MPa、bar、psi 単位面積あたりに働く力 ゲージ圧・絶対圧、吸込圧・吐出圧、耐圧
回転数 min−1、rpm 羽根車や軸の回転速度 電源周波数、極数、インバータ運転範囲
効率 %、η 入力動力に対して液体へ伝わる割合 設計運転点が高効率域にあるか
動力 W、kW、HP 水動力、軸動力、モーター入力 どの動力を示す曲線か、運転範囲全体で過負荷にならないか
密度・比重 kg/m³、g/cm³、SG 液体の重さに関わる特性 圧力換算と動力計算に使用
粘度 Pa·s、mPa·s、cP、mm²/s、cSt 液体の流れにくさ 水基準の性能曲線をそのまま使えるか
NPSH m、ft 吸込側の圧力余裕 NPSHAとNPSHRの比較、液温・蒸気圧・吸込損失
流量と揚程は必ずセットで確認します。 たとえば「最大流量100 L/min」と「最高揚程30 m」は、多くの場合、同じ運転点で同時に得られる値ではありません。 遠心ポンプでは一般に、流量が増えるほど揚程が低下するQ-H曲線上で運転します。

流量の単位換算|L/min・m³/h・GPM

国内の設備資料ではL/minやm³/h、海外ポンプではGPMがよく使われます。ポンプを比較するときは、 まず要求流量とカタログ流量の時間単位・体積単位をそろえます。

L/min → m³/h m³/h = L/min × 0.06
m³/h → L/min L/min = m³/h × 16.6667
US GPM → L/min L/min = US GPM × 3.78541
L/min → US GPM US GPM = L/min ÷ 3.78541

代表的な流量換算早見表

L/min m³/h US GPM
10.06約0.264
100.60約2.642
201.20約5.283
503.00約13.209
1006.00約26.417
50030.00約132.086

Conversion Example

例:3 m³/hをL/minとUS GPMへ換算

3 × 16.6667 = 50.0001 L/min 50 ÷ 3.78541 ≒ 13.209 US GPM

3 m³/h = 約50 L/min = 約13.2 US GPM

GPMはUS gallonかImperial gallonかを確認してください。 ポンプ仕様で一般的に見かけるUS GPMは1 gal = 約3.785 Lですが、Imperial GPMは1 gal = 約4.546 Lです。 元資料にUS・UK・Imperialの記載がない場合は、メーカーへ確認するのが安全です。

圧力の単位換算|kPa・MPa・bar・psi

吐出先の必要圧力、フィルタや熱交換器の差圧、配管の耐圧を確認するときは、圧力単位をそろえます。 NISTの換算表では、1 psi = 6,894.757 Paとして示されています。[1]

MPa・kPa・bar 1 MPa = 1,000 kPa = 10 bar
bar・kPa 1 bar = 100 kPa = 0.1 MPa
psi・kPa 1 psi ≒ 6.89476 kPa
psi・MPa 1 psi ≒ 0.00689476 MPa

圧力単位の早見表

MPa kPa bar psi
0.05500.5約7.25
0.101001.0約14.50
0.202002.0約29.01
0.505005.0約72.52
1.001,00010.0約145.04
ゲージ圧と絶対圧を混同しないでください。 通常の吐出圧力はゲージ圧で扱うことが多い一方、NPSHや蒸気圧の計算では絶対圧が必要です。 MPaG・barg・psigと、MPaA・bara・psiaは基準が異なります。

揚程とは?圧力との換算で密度が必要な理由

揚程Hは、ポンプが液体へ与えるエネルギーを「液柱の高さ」に置き換えた指標で、通常はmで表します。 圧力差Δpと揚程Hの関係は次式です。

H = Δp ÷ (ρ × g)
Δp = ρ × g × H

H:揚程[m] Δp:圧力差[Pa] ρ:密度[kg/m³] g:重力加速度9.80665[m/s²]

この式から、同じ30 mの揚程でも、液体の密度が高いほど圧力差は大きくなることが分かります。 「1 MPaは何mか」という換算値は液体によって変わるため、水以外の薬液や油では密度を入れて計算します。

水を基準にした圧力・揚程換算

水柱1 m 1 mH₂O ≒ 9.80665 kPa
水柱10 m 10 mH₂O ≒ 0.0981 MPa
1 bar 1 bar ≒ 10.197 mH₂O
1 MPa 1 MPa ≒ 101.97 mH₂O
水の揚程 kPa MPa bar
5 m約49.0約0.049約0.490
10 m約98.1約0.098約0.981
20 m約196.1約0.196約1.961
30 m約294.2約0.294約2.942
50 m約490.3約0.490約4.903
100 m約980.7約0.981約9.807
「揚程30 m = 0.294 MPa」は水を想定した値です。 密度850 kg/m³の油なら約0.250 MPa、密度1,200 kg/m³の液体なら約0.353 MPaです。 カタログの揚程を圧力へ置き換えるときは、実際の液温における密度を使います。

全揚程の求め方|高低差だけでは決まらない

全揚程は、ポンプが設備全体へ与える必要があるエネルギーを高さで表したものです。 2地点間の一般的な関係は、圧力差・速度差・高さ差・配管損失を含めて考えます。

HT = (p₂ − p₁)/(ρg) + (v₂² − v₁²)/(2g) + (z₂ − z₁) + hL

p:圧力 v:流速 z:基準面からの高さ hL:配管・バルブ・機器などの損失水頭

開放タンクから別の開放タンクへ送る場合

両方のタンクが大気開放で、液面の流速を無視できる場合は、圧力差と速度差がほぼ相殺されます。 そのため、概算は次のように整理できます。

全揚程 ≒ 実揚程(液面の高低差)+ 損失水頭

加圧タンクやノズルへ送る場合

吐出先に必要圧力がある場合は、その圧力を圧力水頭へ換算して追加します。 ノズル出口速度が大きい場合や、吸込側と吐出側で口径が大きく違う場合は速度水頭も無視できません。

全揚程 ≒ 実揚程 + 圧力水頭 + 速度水頭差 + 損失水頭
01

実揚程

吸込液面と吐出液面、または基準点同士の高さ差です。

02

圧力水頭

吐出先の加圧条件や吸込側圧力との差を高さへ換算します。

03

速度水頭

流速の二乗に比例します。口径差やノズル条件で確認します。

04

損失水頭

直管、曲がり、バルブ、ストレーナ、フィルタ、熱交換器などの圧力損失です。

閉ループ循環では、単純な高低差を全揚程へ足さない場合があります。 配管が液体で満たされた閉回路では、上昇側と下降側の静水頭が相殺されるため、定常運転時にポンプが主に負担するのは配管・機器の損失です。 ただし、充填・エア抜き・開放部の有無・加圧条件は別途確認します。

性能曲線と運転点|ポンプが実際に出す流量は交点で決まる

遠心ポンプのカタログには、横軸を流量Q、縦軸を揚程HとしたQ-H曲線が示されます。 一方、設備側では流量が増えるほど配管損失が大きくなり、必要揚程が増えるシステム曲線を描けます。 実際の運転点は、この2本の曲線が交わる点です。Grundfosのポンプ曲線資料でも、運転点はポンプ性能曲線とシステム曲線の交点として説明されています。[3]

ポンプ性能曲線とシステム曲線の模式図 流量が増えると揚程が下がるポンプ曲線と、流量が増えると必要揚程が上がるシステム曲線の交点が運転点になる図です。 ポンプQ-H曲線 システム曲線 運転点 流量 Q 揚程 H
模式図。実際のカタログでは、羽根車径・回転数ごとのQ-H曲線、効率曲線、軸動力曲線、NPSHR曲線などを同じ運転点で読みます。
Q-H

ポンプ性能曲線

固定回転数の遠心ポンプでは、一般に流量が増えるほど揚程は下がります。

System

システム曲線

静水頭を起点に、流量増加に伴う配管損失を加えた設備側の必要揚程です。

Duty

要求点

設計上必要とする流量と全揚程の組み合わせです。

Operating

運転点

実際のポンプと設備を接続したときに落ち着く流量・揚程です。

性能曲線で同じ運転点から読む項目

  • 必要流量と必要全揚程を満たしているか
  • 効率曲線上でどの効率になるか、BEP(最高効率点)から極端に外れていないか
  • 軸動力曲線から、運転範囲全体でモーターが過負荷にならないか
  • NPSHR曲線から、実際の流量における必要NPSHはいくつか
  • 最小連続流量、最大許容流量、推奨運転範囲に入っているか
締切点と最大流量側の端部だけで選ばないでください。 締切点は流量ゼロで最高揚程となる点です。反対に最大流量側では揚程が低く、NPSHRや軸動力が増える場合があります。 長時間運転できる範囲は製品ごとに異なるため、メーカーの最新曲線と許容運転範囲を確認します。

密度・比重が圧力と動力へ与える影響

遠心ポンプの性能を揚程mで見ると、同じ回転数・同じ羽根車径では、密度が変わってもQ-H曲線は概ね同じ形で扱えます。 しかし、同じ揚程から生じる圧力差と、必要な水動力は密度に比例します。

Pressure

圧力差

Δp = ρ × g × H

同じ30 mでも、高密度液ほど圧力差が大きくなります。

Power

水動力

Ph = ρ × g × Q × H

同じ流量・揚程でも、高密度液ほど必要動力が大きくなります。

揚程30 mでの圧力差の比較

液体の例 密度 30 mでの圧力差 水との比較
軽い油の例850 kg/m³約0.250 MPa約0.85倍
水の概算1,000 kg/m³約0.294 MPa1.00倍
高密度液の例1,200 kg/m³約0.353 MPa約1.20倍

比重SGは、水の密度に対する相対値として扱われます。概算では、比重0.85の液体なら水の約0.85倍、比重1.2なら約1.2倍の圧力差・水動力になります。 ただし、密度は温度や濃度で変化するため、製品データや物性表の条件を合わせます。

粘度が流量・揚程・効率へ与える影響

粘度が高い液体は流れにくく、配管損失が増えます。また、遠心ポンプ内部の摩擦損失も増えるため、 水で測定されたカタログ曲線と比べて、流量・揚程・効率が低下し、必要動力が増えることがあります。

種類 主な単位 関係 確認場面
粘度(動的粘度・絶対粘度) Pa·s、mPa·s、cP 1 mPa·s = 1 cP 薬液、油、樹脂、食品液などの流れにくさ
動粘度 m²/s、mm²/s、cSt 1 mm²/s = 1 cSt 潤滑油仕様、油圧油、温度別粘度
01

液温を確認

油や薬液は温度で粘度が大きく変わるため、最低・通常・最高液温で確認します。

02

性能補正を確認

水基準曲線へ粘度補正が必要か、メーカーの選定ソフトや技術資料で確認します。

03

ポンプ形式を再検討

高粘度では、遠心ポンプより容積式ポンプが適する場合があります。

04

始動条件を確認

低温始動時の高粘度、モータートルク、配管内固化・析出にも注意します。

密度補正だけで高粘度液を選定しないでください。 密度は主に圧力と動力へ影響しますが、粘度はポンプ曲線そのものや配管損失へ影響します。 粘度が水と大きく異なる場合は、メーカーへ液名・温度・粘度・密度・濃度を提示して確認します。

必要動力の計算|水動力・軸動力・モーター入力を分ける

ポンプが液体へ与える理論的な水動力は、密度・流量・揚程から概算できます。 ただし、実際にはポンプ効率とモーター効率による損失があるため、モーター入力は水動力より大きくなります。

Ph = ρ × g × Q × H
Pshaft = Ph ÷ ηpump
Pinput ≒ Pshaft ÷ ηmotor

Qはm³/s、Hはm、ρはkg/m³で入力すると、PはWで求められます。

Power Example

例:水3 m³/h、全揚程33.3 mの場合

Q = 3 ÷ 3,600 = 0.000833 m³/s Ph = 997 × 9.80665 × 0.000833 × 33.3 ≒ 272 W ポンプ効率55%なら、軸動力 ≒ 272 ÷ 0.55 ≒ 494 W モーター効率80%なら、入力 ≒ 494 ÷ 0.80 ≒ 618 W

この約618 Wは一つの運転点における概算です。実際のモーター定格は、メーカーの軸動力曲線、運転範囲、 始動方式、電源、サービスファクタ、温度、連続運転条件などを含めて決定します。

「ポンプ効率」と「ポンプ+モーターの総合効率」は別です。 カタログの効率曲線がポンプ単体を示すのか、モーター込みの入力電力を示すのかを確認してください。 インバータや制御盤を含む場合は、それらの損失も別に発生します。

NPSHとは?キャビテーションを避ける吸込条件

NPSHはNet Positive Suction Headの略で、ポンプ吸込側にどれだけ圧力の余裕があるかを揚程mで表す指標です。 KSBは、キャビテーションの影響を避けるために、設備側のNPSHAとポンプ側のNPSHRを比較すると説明しています。[4]

Available

NPSHA

設備側で利用できるNPSHです。タンク圧力、液面高さ、吸込配管損失、液体の蒸気圧などから求めます。

Required

NPSHR

ポンプが必要とするNPSHです。メーカーの性能曲線から、実際の運転流量における値を読みます。

NPSHA > NPSHR + 必要な余裕

必要な余裕は、ポンプ形式、用途、液体、運転変動、測定誤差、メーカー基準などで変わります。 一律の固定値だけで判断せず、対象ポンプの資料とメーカー推奨値を優先してください。

開放タンクから吸い込む場合の考え方

NPSHA ≒ (patm − pvap)/(ρg) + z − hf,suction

patm:液面にかかる絶対圧 pvap:液体の蒸気圧 z:液面とポンプ基準位置の高さ差(液面がポンプより上なら正) hf,suction:吸込配管損失

NPSHAを低下させる代表的な条件

  • 液温が上がり、蒸気圧が高くなる
  • ポンプが液面より高く、吸上げ高さが大きい
  • 吸込配管が細い・長い・曲がりが多い
  • ストレーナやフィルタが詰まり、吸込損失が増える
  • タンク内圧が低い、または真空に近い
  • 流量が増え、吸込配管損失とNPSHRが増える
  • 高地で大気圧が低い
NPSHの圧力は絶対圧で考えます。 ゲージ圧0 kPaだから圧力がゼロという意味ではありません。大気開放タンクの液面には大気圧がかかっています。 蒸気圧も絶対圧で扱い、同じ基準にそろえて計算します。

実務例|必要流量3 m³/h、加圧タンクへ送るポンプ

次の条件で、必要流量と全揚程、水動力の概算を整理します。説明を分かりやすくするため、 吸込側と吐出側の速度差は無視し、水の密度を997 kg/m³とします。

必要流量3 m³/h
液面の高低差12 m
吐出先圧力0.15 MPaG
配管・機器損失6 m
液体約25℃の水
密度997 kg/m³
1

流量を換算する

3 m³/h × 16.6667 ≒ 50 L/min

カタログがL/min表記なら、要求流量は約50 L/minです。

2

吐出先圧力を揚程へ換算する

150,000 ÷ (997 × 9.80665) ≒ 15.34 m

0.15 MPaの圧力水頭は、この条件では約15.34 mです。

3

全揚程を求める

12 m + 15.34 m + 6 m = 33.34 m

要求点は、概算で50 L/min・全揚程33.3 mです。

4

性能曲線で運転点を確認する

Q-H曲線とシステム曲線の交点が50 L/min・33.3 m付近になる機種を候補にします。 同じ点から効率、軸動力、NPSHRを読み、推奨運転範囲内か確認します。

5

水動力を概算する

997 × 9.80665 × (3 ÷ 3,600) × 33.34 ≒ 272 W

実際の軸動力とモーター入力は、ポンプ効率・モーター効率を考慮して大きくなります。

6

NPSHと液体適合性を確認する

タンク液面、吸込配管、液温、蒸気圧からNPSHAを確認し、50 L/minにおけるNPSHRを十分に上回るか確認します。 最後に、接液材、メカニカルシール、口径、電源、保護構造、設置環境も照合します。

この計算例は選定手順を示す概算です。実際の配管損失は、配管径・長さ・粗さ・流速・継手・バルブ・フィルタ・熱交換器・液温・粘度などで計算し、 ポンプメーカーの最新性能曲線と仕様書で最終確認してください。

ポンプ選定でよくある間違い

01

最大流量と最高揚程を同時に出せると思う

多くの遠心ポンプでは別々の端点です。必要な流量・揚程の組み合わせをQ-H曲線上で確認します。

02

高低差だけを全揚程にする

吐出先圧力、配管・バルブ・フィルタの損失、速度差を含めて計算します。

03

水以外でもmとMPaを同じ係数で換算する

圧力と揚程の換算には密度が必要です。実際の液温・濃度における密度を使います。

04

設備の要求点と実際の運転点を同じだと思う

固定速ポンプは、設備のシステム曲線とポンプ曲線の交点で運転します。

05

高粘度液へ水の性能曲線をそのまま使う

粘度で流量・揚程・効率・動力・配管損失が変わるため、補正や別形式の検討が必要です。

06

モーター容量を水動力だけで決める

ポンプ効率・モーター効率と、運転範囲全体の軸動力曲線を確認します。

07

NPSHRを締切点の値だけで見る

NPSHRは流量で変化します。実際の運転点または想定最大流量で確認します。

08

吸込配管を吐出配管と同じ感覚で細くする

吸込損失の増加はNPSHAを低下させます。配管径、長さ、曲がり、ストレーナの圧力損失を確認します。

09

US GPMとImperial GPMを区別しない

1ガロンの体積が異なります。海外仕様書の地域・規格・注記を確認します。

10

単位換算後の値だけを資料に残す

元の値・元単位・換算係数・換算後の値を併記すると、後から検算しやすくなります。

ポンプ選定・仕様確認チェックリスト

要求条件

  • 通常・最小・最大流量を決めたか
  • 連続運転・間欠運転・変動運転を整理したか
  • 流量単位と時間単位をそろえたか
  • 吸込側・吐出側の圧力基準を確認したか
  • 実揚程、圧力水頭、速度水頭、損失水頭を含めたか
  • 閉ループか開放系かを区別したか

液体条件

  • 液名、濃度、密度、比重を確認したか
  • 最低・通常・最高液温を確認したか
  • 各温度での粘度と蒸気圧を確認したか
  • 固形物、気泡、結晶、繊維の有無を確認したか
  • 腐食性・毒性・可燃性・衛生要件を確認したか
  • 接液材とシール方式が適合するか

性能曲線

  • 要求点と運転点の違いを確認したか
  • Q-H曲線上で必要流量・揚程を満たすか
  • 推奨運転範囲・最小連続流量内か
  • 効率とBEPからの距離を確認したか
  • 軸動力曲線を運転範囲全体で確認したか
  • 最大回転数・インバータ範囲を確認したか

吸込・設置

  • NPSHAとNPSHRを同じ単位・基準で比較したか
  • 必要なNPSH余裕をメーカーへ確認したか
  • 吸込配管損失を最大流量で確認したか
  • 液面変動、タンク圧力、高度を考慮したか
  • 自吸式か呼び水が必要か確認したか
  • 電源、設置方向、保護構造、周囲温度を確認したか

ポンプ選定で押さえるべき要点

  • 流量はL/min・m³/h・GPMを同じ単位へ換算する
  • 全揚程は高低差、圧力差、速度差、配管・機器損失から求める
  • 水以外では密度を使って圧力と揚程を換算する
  • 実際の流量・揚程はポンプ曲線とシステム曲線の交点で決まる
  • 粘度が高い場合は水基準の性能を補正し、ポンプ形式も再検討する
  • 水動力だけでなく、ポンプ効率・モーター効率・軸動力曲線を確認する
  • NPSHAがNPSHRを必要な余裕をもって上回るようにする
  • 最終選定は対象製品の最新仕様書とメーカー確認に基づいて行う

この記事の運営者・編集方針

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244divは、日常や仕事を少し便利にするアプリと、そのアプリに関連する実用知識を発信しています。 本記事は、公的機関の単位換算資料とポンプメーカーの技術資料を参照し、ポンプ選定時に必要な単位と確認手順を整理したものです。

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本記事は一般的な技術情報を分かりやすく整理したもので、個別設備の設計・安全性・性能を保証するものではありません。 実機の選定、配管設計、法令・規格への適合は、対象製品のメーカー、設備設計者、専門技術者へ確認してください。

ポンプ選定と単位換算のよくある質問

ポンプの圧力と揚程は同じ意味ですか?

同じではありません。圧力は単位面積あたりの力、揚程は液体へ与える単位重量あたりのエネルギーを高さで表したものです。両者はΔp = ρgHで変換でき、密度によって関係が変わります。

水で1 MPaは何mの揚程ですか?

標準重力加速度を用いると、1 MPaは約101.97 mH₂Oです。概算では約102 mと考えられます。

揚程30 mは何MPaですか?

水の場合は約0.294 MPaです。液体の密度が異なる場合は、Δp = ρgHで計算し直します。

全揚程には配管の長さをそのまま足しますか?

配管長そのものをm単位で足すわけではありません。配管長、口径、流速、粗さなどから圧力損失を求め、それを損失水頭mへ換算して加えます。

閉ループ循環では高低差を無視できますか?

液体で満たされた完全な閉回路の定常運転では、上昇側と下降側の静水頭が相殺され、主に配管・機器損失をポンプが負担します。ただし、開放部、加圧差、充填・始動条件がある場合は別途確認が必要です。

ポンプの運転点とは何ですか?

ポンプのQ-H曲線と設備側のシステム曲線が交わる点です。固定速ポンプは原則としてこの交点に対応する流量・揚程で運転します。

密度が変わるとポンプ流量も同じ割合で変わりますか?

遠心ポンプのQ-H性能を揚程で見ると、密度による変化は概ね小さい一方、同じ揚程から生じる圧力差と必要動力は密度に比例します。粘度が変わる場合は性能曲線自体への影響も考慮します。

粘度が高い液体でも水用ポンプを使えますか?

使用できる場合もありますが、水基準の流量・揚程・効率・動力から変化する可能性があります。液温ごとの粘度を提示し、メーカーの粘度補正や適用範囲を確認してください。

NPSHAとNPSHRはどちらを大きくすればよいですか?

設備側のNPSHAが、ポンプ側のNPSHRを必要な余裕をもって上回る必要があります。余裕の決め方はメーカーや用途の基準に従います。

ポンプのモーター容量は計算値ぴったりでよいですか?

水動力の計算値だけでは決められません。ポンプ効率、モーター効率、運転範囲全体の軸動力曲線、始動条件、電源条件などを確認し、メーカー指定のモーター定格を選びます。

参考資料

本記事の換算係数、ポンプ曲線、運転点、NPSHの説明は、以下の公的機関・ポンプメーカーの公開資料を参照して整理しています。

  1. NIST|Pressure and Gas Flow Unit Conversions
  2. NIST|Guide to the SI, Appendix B.8 Conversion Factors
  3. Grundfos ECADEMY|Understanding the Pump Curve
  4. KSB|NPSH
  5. KSB|Characteristic Curve
  6. 荏原製作所|ポンプキャビテーション現象の基礎知識

製品仕様、性能曲線、推奨運転範囲、NPSHR、適用液、材質、規格は変更される場合があります。選定時は対象製品の最新版カタログ・取扱説明書・技術資料を確認してください。

流量・圧力・動力などの単位をまとめて確認するならMyUnit

単発の計算は、この記事の換算式と早見表で確認できます。ポンプ仕様書や設備資料で、 L/min・m³/h・GPM、kPa・MPa・bar・psi、W・kW・HPなどを繰り返し比較する場合は、 単位換算アプリ「MyUnit」でもまとめて確認できます。カスタム単位、複数ステップ計算、CSV共有にも対応しています。

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