サーモグラフィカメラおすすめ5選【2026年版】設備保全・電気点検向けモデルを比較

分電盤の端子、配線接続部、モーター、軸受、ヒーター、配管などの温度分布を非接触で確認できるのが、サーモグラフィカメラです。 点ではなく面全体の温度を可視化できるため、設備保全や電気点検で異常発熱を探す作業に役立ちます。

ただし、サーモグラフィカメラは製品によって熱画像解像度、温度測定範囲、熱感度、フレームレート、視野角、可視カメラ、レポート機能が大きく異なります。

価格だけで選ぶと、小さな端子の温度差を確認しにくかったり、高温設備を測定範囲外にしてしまったりすることがあります。 点検対象と必要な記録レベルを整理して選ぶことが重要です。

この記事では、設備保全や電気点検に使いやすいサーモグラフィカメラ5製品を比較します。 日常巡回、電気設備、機械設備、建物診断、点検報告書の作成など、用途に合うモデルを確認しましょう。

広告・PRについて

本記事にはアフィリエイト広告が含まれています。 記事内の商品リンクから購入した場合、244divに紹介料が入ることがあります。 製品の特徴と仕様は、メーカー公式情報をもとに独自に整理しています。

安全上の注意

サーモグラフィを使っても、活線部へ安全に接近できるわけではありません

サーモグラフィカメラは非接触で温度を測定できますが、充電部や高温設備へ安全に接近できることを保証する工具ではありません。

分電盤や制御盤の扉・カバーを開ける点検では、感電、短絡、アークフラッシュなどの危険があります。 有資格者や設備管理責任者の指示に従い、必要な保護具、接近距離、点検手順を守ってください。

先に結論

解像度と携帯性のバランスならB20S、報告業務まで重視するならE6 Pro

  • 解像度・温度範囲・価格のバランス:HIKMICRO B20S
  • ポケットへ入る携帯性:HIKMICRO Pocket2
  • 小型ボディとクラウド共有:FLIR C5
  • 650℃までの高温測定:テストー testo 868
  • 設備点検と報告書作成を本格運用:FLIR E6 Pro

日常的な設備巡回や電気点検では、熱画像解像度256×192画素、熱感度40mK未満、25Hz、-20~550℃に対応するB20Sがバランスの良い候補です。

常に工具バッグへ入れて持ち歩くなら、約218gのPocket2や、薄型のFLIR C5が扱いやすくなります。

熱処理設備など400℃を超える対象を測定する場合はtesto 868またはFLIR E6 Pro、 画像整理、注釈、クラウド保存、報告書作成まで重視する場合はFLIR E6 Proが向いています。

サーモグラフィカメラおすすめ5製品の比較表

今回紹介する5製品を、熱画像解像度、熱感度、温度範囲、フレームレート、可視カメラ、携帯性、通信機能で比較しました。

製品 熱画像解像度 熱感度 測定温度範囲 フレームレート 可視カメラ 重量 通信・記録 主な特徴
HIKMICRO
B20S
256×192 <40mK -20~550℃ 25Hz 2MP 約380g Wi-Fi
UVC・USB-C
解像度と測定範囲のバランス
HIKMICRO
Pocket2
256×192 <40mK -20~400℃ 25Hz 8MP 約218g Wi-Fi
USB-C
薄型・タッチ操作・広視野角
FLIR
C5
160×120 <70mK -20~400℃ 8.7Hz 5MP ポケット型 Wi-Fi
FLIR Ignite
MSX・クラウド共有
テストー
testo 868
160×120
SuperResolution
320×240
<80mK -30~650℃ 9Hz 5MP 約510g Wi-Fi
アプリ・IRSoft
高温測定と解析支援機能
FLIR
E6 Pro
240×180 <50mK -20~550℃ 9Hz 5MP 約590g Wi-Fi
FLIR Ignite
MSX・注釈・本格報告

※mKは熱感度を表す単位です。数値が小さいほど、わずかな温度差を画像上で区別しやすくなります。 40mKは0.04℃の温度差に相当しますが、測定精度そのものを意味する数値ではありません。

※測定精度は、周囲温度、対象温度、放射率、反射温度、測定距離など、メーカーが定める条件下での値です。

サーモグラフィカメラとは

サーモグラフィカメラは、対象物から放射される赤外線エネルギーを検出し、表面温度の分布を色で表示する測定器です。

一般的な放射温度計がレーザーなどで示した一点付近の温度を測るのに対し、 サーモグラフィは画面内の広い範囲を一度に確認できます。

温度分布を表示

端子、配線、機器、配管など、画面内の温度分布を一度に可視化できます。

非接触

離れた位置から測定

対象物へセンサーを接触させず、一定の距離から表面温度を確認できます。

記録

熱画像を保存

点検時の状態を画像として保存し、過去画像との比較や報告書へ利用できます。

比較

異常箇所を探す

同じ条件の機器、相、端子などを比較し、周囲と異なる温度の箇所を探します。

測定するのは基本的に対象物の表面温度です

サーモグラフィで見えるのは、主に対象物表面から放射・反射される赤外線です。 機器内部の温度を直接透視したり、壁の内側をそのまま見たりできる装置ではありません。

設備保全・電気点検で確認できること

電気設備

端子・接続部の異常発熱

分電盤、制御盤、ブレーカー、端子台、ケーブル接続部などの温度差を確認します。

三相設備

相間の温度差

同程度の負荷が流れている三相配線や機器を比較し、特定相だけの発熱を探します。

回転機器

モーター・軸受の温度

モーター本体、ベアリング、軸受、カップリング周辺の温度分布を記録します。

加熱設備

ヒーターの断線・加熱むら

ヒーター、金型、炉、加熱プレートなどの温度むらや局所的な高温部を確認します。

配管設備

温水・蒸気・冷媒の状態

配管の温度分布、保温材の欠損、バルブ前後の変化、床暖房の配管経路などを確認します。

建物診断

断熱欠損・漏水の手掛かり

室内外の温度差がある条件で、断熱欠損、冷気流入、漏水などによる温度差を探します。

温度が高いだけで異常とは限りません

  • 同じ種類・同じ負荷の機器と比較する
  • 電流値や負荷率も同時に確認する
  • 周囲温度や風の影響を記録する
  • 過去の同一設備の熱画像と比較する
  • メーカーの許容温度や保全基準を確認する

サーモグラフィカメラの選び方

熱画像解像度で選ぶ

熱画像解像度は、温度を測定する赤外線検出素子の数です。 画素数が多いほど、細かい部品や離れた位置の温度分布を確認しやすくなります。

  • B20S:256×192、49,152画素
  • Pocket2:256×192、49,152画素
  • FLIR C5:160×120、19,200画素
  • testo 868:160×120、19,200画素
  • FLIR E6 Pro:240×180、43,200画素

分電盤全体や建物の広い面を見るだけなら160×120画素でも使用できます。 小さな端子、電子部品、離れた設備を確認する場合は、240×180画素以上が扱いやすくなります。

表示画面の解像度と熱画像解像度は別です

液晶画面が640×480画素でも、温度情報を持つ熱画像センサーが160×120画素であれば、 温度測定データの基本解像度は160×120画素です。

熱感度・NETDで選ぶ

熱感度は、カメラが識別できる小さな温度差の目安です。 NETDという項目で示され、一般に数値が小さいほど滑らかで細かな温度差を表示しやすくなります。

  • B20S:40mK未満
  • Pocket2:40mK未満
  • FLIR C5:70mK未満
  • testo 868:80mK未満
  • FLIR E6 Pro:50mK未満

電気端子の明確な発熱を探すだけでなく、断熱欠損、床暖房、漏水の手掛かりなど、 小さな温度差を見たい場合は40~50mK未満のモデルが有利です。

測定温度範囲で選ぶ

~400℃

一般設備・電気点検

分電盤、モーター、空調、配管、建物診断などの多くは400℃までのモデルで対応できます。

~550℃

高温設備にも対応

B20SとE6 Proは550℃まで対応し、一般設備に加えて高温対象の確認範囲が広がります。

~650℃

工業用の高温測定

testo 868は650℃まで対応し、ヒーター、熱処理、加熱設備などの用途に向いています。

最高温度だけでなく、使用する温度レンジを切り替えたときの精度条件も確認してください。

温度精度で選ぶ

サーモグラフィの温度精度は、多くの産業用モデルで「±2℃または読み値の±2%」などと表記されます。

ただし、これは規定された周囲温度、測定対象温度、放射率などの条件での値です。 低放射率の金属、反射、遠距離測定などでは誤差が大きくなる可能性があります。

絶対温度の数値だけで異常を判断せず、同一条件での比較や温度傾向も確認しましょう。

フレームレートで選ぶ

  • B20S:25Hz
  • Pocket2:25Hz
  • FLIR C5:8.7Hz
  • testo 868:9Hz
  • FLIR E6 Pro:9Hz

25Hzのモデルは、カメラを動かしながら広い設備を走査するときも表示が比較的滑らかです。 静止した対象を一か所ずつ測定する用途では、8.7Hzや9Hzでも使用できます。

視野角で選ぶ

視野角が広いモデルは、狭い部屋や分電盤の近くから全体を撮影しやすくなります。 一方、同じ解像度なら広角になるほど、一つの画素が担当する範囲が広くなります。

  • Pocket2:約50°×37.2°
  • B20S:約50°×37.2°
  • FLIR C5:広角のポケット型
  • testo 868:31°×23°
  • FLIR E6 Pro:33°×25°

狭い場所で盤全体を見るならB20SやPocket2、 少し離れた位置から対象を大きく捉えたい場合はtesto 868やE6 Proが候補です。

可視カメラと画像合成機能で選ぶ

熱画像だけでは、どの端子や部品を撮影したのか分かりにくい場合があります。 可視画像と熱画像を組み合わせられるモデルなら、異常箇所を特定しやすくなります。

  • HIKMICRO:Fusion、PIP、可視画像などに対応
  • FLIR:輪郭情報を熱画像へ重ねるMSXに対応
  • testo 868:熱画像と可視画像を同時保存可能

点検報告書へ掲載する場合は、熱画像と可視画像を両方保存できる製品が便利です。

携帯性と本体形状で選ぶ

  • Pocket2:約218gの薄型ポケットモデル
  • FLIR C5:厚さ約24mmのポケットモデル
  • B20S:約380gのガンタイプ
  • testo 868:約510gのガンタイプ
  • FLIR E6 Pro:約590gのガンタイプ

薄型モデルは携帯しやすく、狭い場所でも使いやすいのがメリットです。 ガンタイプは片手で対象へ向けやすく、長時間の巡回でも画面を確認しやすくなります。

防塵・防水と耐落下性能で選ぶ

工場や工事現場で使用する場合は、IP等級や耐落下性能も確認します。

B20S、Pocket2、FLIR C5、FLIR E6 Proは、IP54や2m落下試験など、現場使用を想定した仕様を備えています。 ただし、水中や雨天での無制限な使用ができることを意味するものではありません。

レポート・クラウド機能で選ぶ

HIKMICRO

Viewerアプリ

Wi-Fiでモバイル端末へ接続し、画像共有や確認を行えます。

FLIR

Ignite・Thermal Studio

クラウドへのアップロード、画像整理、共有、レポート作成に対応します。

Testo

Thermography App・IRSoft

遠隔操作、現場での解析、PCでの詳細解析やレポート作成に対応します。

校正・点検サービスで選ぶ

温度測定値を品質記録や監査資料として使用する場合は、 メーカーや校正機関による校正、検査成績書、トレーサビリティ体系図などの対応も確認しましょう。

日常の異常発見だけに使用する場合でも、一定期間ごとに既知温度の対象と比較し、 カメラの状態や測定値に大きな変化がないか確認することが重要です。

サーモグラフィカメラおすすめ5製品

おすすめ1 256×192 550℃対応

HIKMICRO B20S

設備点検に必要な解像度・熱感度・温度範囲を備えたバランス型

商品画像または商品名を押すと販売ページを確認できます。

熱画像解像度 256×192
熱感度 <40mK
測定温度 -20~550℃
フレームレート 25Hz
可視カメラ 2MP
重量 約380g

B20Sは、256×192画素の熱画像解像度と40mK未満の熱感度を備えた、設備点検向けのハンディサーモグラフィです。

測定温度範囲は-20~550℃です。 分電盤、モーター、軸受、空調、建物診断から、比較的高温の設備まで幅広く使用できます。

25Hzのフレームレートに対応し、カメラを動かしながら設備を走査するときも滑らかに表示できます。 3.2インチ・640×480画素の液晶画面を備えています。

熱画像、可視画像、Fusion、PIPの画像モードに対応し、 画面内の最高温度、最低温度、中央温度を自動追跡できます。

Wi-FiでHIKMICRO Viewerアプリと接続できるほか、IP54、2m落下試験、約6時間の連続使用に対応します。 別売マクロレンズを使用すれば、小さな電子部品の観察にも対応できます。

おすすめポイント

  • 256×192画素の熱画像
  • 40mK未満の高い熱感度
  • -20~550℃の広い測定範囲
  • 25Hzの滑らかな表示
  • Wi-Fi・IP54・2m落下試験対応

確認したい点

  • Pocket2より本体が大きい
  • 可視カメラは2MP
  • 高度な報告書運用ではFLIRやTestoとも比較したい

こんな人におすすめ: 電気設備・機械設備・建物を幅広く点検し、解像度、測定範囲、携帯性のバランスを重視する人。

おすすめ2 ポケット型 8MP可視カメラ

HIKMICRO Pocket2

約218gの薄型ボディに256×192画素とタッチ画面を搭載

熱画像解像度 256×192
熱感度 <40mK
測定温度 -20~400℃
フレームレート 25Hz
可視カメラ 8MP
重量 約218g

Pocket2は、約138.5×85.2×23.6mm、約218gの薄型ボディに、 256×192画素の熱画像センサーを搭載したポケット型モデルです。

B20Sと同じく熱感度40mK未満、フレームレート25Hzに対応します。 測定温度範囲は-20~400℃です。

3.5インチ・640×480画素のタッチ画面を搭載し、 画面上の確認したい場所をタップして温度スケールを調整する1-Tap Level and Spanに対応します。

8MPの可視カメラを備え、熱画像、可視画像、Fusion、PIP、Blendingを切り替えられます。 熱画像と可視画像を同時保存できるため、報告時に撮影対象を確認しやすくなります。

Wi-Fi、USB-C、IP54、2m落下試験に対応します。 毎日の巡回へ持ち歩きやすく、必要なときにすぐ撮影できるのが大きなメリットです。

おすすめポイント

  • 256×192画素・40mK未満
  • 25Hzの滑らかな表示
  • 約218gの薄型ポケットモデル
  • 3.5インチタッチ画面
  • 8MP可視カメラとWi-Fiに対応

確認したい点

  • 上限温度は400℃
  • ガンタイプとは持ち方が異なる
  • 手袋をした状態ではタッチ操作を確認したい

こんな人におすすめ: 日常巡回用として常に携帯し、分電盤、空調、配管、建物などを素早く撮影したい人。

おすすめ3 MSX クラウド連携

FLIR C5

ポケットサイズとMSX・FLIR Igniteを組み合わせた小型モデル

商品画像または商品名を押すと販売ページを確認できます。

熱画像解像度 160×120
熱感度 <70mK
測定温度 -20~400℃
フレームレート 8.7Hz
可視カメラ 5MP
保護性能 IP54・2m落下

FLIR C5は、約138×84×24mmのポケットサイズに、 160×120画素の熱画像センサーと5MPの可視カメラを搭載したコンパクトモデルです。

FLIR独自のMSXは、可視画像から抽出した輪郭情報を熱画像へ重ねます。 端子、ブレーカー、ラベル、配管などの形状を熱画像上で把握しやすいのが特徴です。

測定温度範囲は-20~400℃、熱感度は70mK未満です。 電気設備、空調、建物、配管などの日常点検に対応できます。

Wi-Fi経由でFLIR Igniteクラウドへ画像をアップロードし、 整理、バックアップ、共有、レポート作成を行えます。

IP54と2m落下試験に対応し、薄型ながら現場での使用を想定した耐久性を備えています。

おすすめポイント

  • 厚さ約24mmのポケットサイズ
  • MSXで対象の輪郭を確認しやすい
  • 5MP可視カメラを搭載
  • FLIR Igniteへ直接アップロード
  • IP54・2m落下試験対応

確認したい点

  • 熱画像解像度は160×120
  • 熱感度は70mK未満
  • フレームレートは8.7Hz

こんな人におすすめ: 小型カメラを携帯し、MSXで異常箇所を分かりやすく記録し、クラウドで画像共有したい人。

おすすめ4 650℃対応 解析支援

テストー testo 868

650℃までの高温測定とSuperResolutionに対応

商品画像または商品名を押すと販売ページを確認できます。

熱画像解像度 160×120
SuperResolution 320×240
熱感度 <80mK
測定温度 -30~650℃
可視カメラ 5MP
重量 約510g

testo 868は、設備保全、電気設備、建物診断、暖房設備、配管などに対応する固定フォーカス式サーモグラフィです。

熱画像センサーは160×120画素ですが、 testo SuperResolutionによりPC上で320×240画素の超解像画像を生成できます。

2026年時点の国内仕様では、測定温度範囲は-30~650℃です。 高温ヒーター、加熱設備、熱処理設備など、400℃を超える測定にも対応できます。

IFOVインジケーターは、測定距離に対して温度測定できる対象サイズの目安を画面に表示します。 小さすぎる対象を遠距離から測定することによる誤差を減らすのに役立ちます。

ε-アシスト、スケールアシスト、ホット・コールドスポットの自動検出を備えています。 Wi-FiでThermography Appと連携し、遠隔操作、解析、レポート作成、画像送信が可能です。

おすすめポイント

  • -30~650℃の広い測定範囲
  • SuperResolutionで320×240画素化
  • IFOVインジケーターを搭載
  • 放射率設定を支援するε-アシスト
  • アプリと無料PCソフトに対応

確認したい点

  • センサーの基本解像度は160×120
  • フレームレートは9Hz
  • 重量は約510g

こんな人におすすめ: 一般設備だけでなく高温設備も測定し、放射率、測定距離、温度スケールを適切に管理したい人。

おすすめ5 プロ向け MSX・Ignite

FLIR E6 Pro

240×180画素・MSX・注釈・クラウド連携を備えた本格点検モデル

商品画像または商品名を押すと販売ページを確認できます。

熱画像解像度 240×180
熱感度 <50mK
測定温度 -20~550℃
視野角 33°×25°
可視カメラ 5MP
重量 約590g

FLIR E6 Proは、240×180画素の熱画像解像度と50mK未満の熱感度を備えた、設備点検向けのプロシリーズです。

測定温度範囲は-20~550℃です。 電気設備、機械設備、建物、加熱設備など、幅広い点検に対応します。

3.5インチ・640×480画素のタッチ画面を備え、 画面上の確認したい箇所をタップしてコントラストを最適化する1-Touch Level/Spanに対応します。

FLIR独自のMSXにより、可視画像の輪郭を熱画像へ重ねて表示します。 ブレーカー番号、端子、部品の形状などを識別しやすくなります。

撮影した画像には本体上でテキスト注釈を追加でき、 Wi-FiでFLIR Igniteへアップロードして整理、共有、レポート作成を行えます。

IP54、2m落下試験に対応し、交換式バッテリーを採用しています。 多数の設備を継続的に撮影し、報告書まで作成する保全業務に向いています。

おすすめポイント

  • 240×180画素・50mK未満
  • -20~550℃に対応
  • MSXで異常箇所を識別しやすい
  • タッチ画面で注釈を追加可能
  • FLIR IgniteとThermal Studioに対応

確認したい点

  • 5製品の中では高価格帯
  • 重量は約590g
  • フレームレートは9Hz

こんな人におすすめ: 設備点検を定期業務として行い、画像の整理、注釈、共有、報告書作成まで効率化したい人。

用途別に選ぶおすすめサーモグラフィカメラ

総合バランス

HIKMICRO B20S

256×192画素、40mK未満、25Hz、550℃対応で、設備保全に必要な性能をバランスよく備えています。

巡回・携帯性

HIKMICRO Pocket2

約218gの薄型ボディで持ち歩きやすく、必要なときにすぐ撮影できます。

小型・クラウド共有

FLIR C5

MSXで対象を識別しやすく、FLIR Igniteへ画像をアップロードできます。

高温設備

テストー testo 868

650℃まで測定でき、ヒーターや加熱設備を含む工業用途に向いています。

本格的な保全報告

FLIR E6 Pro

240×180画素、MSX、テキスト注釈、クラウド連携を備え、点検記録の標準化に向いています。

サーモグラフィで設備を点検する基本手順

1

点検対象と判定方法を決める

端子、モーター、軸受、配管など、どこを測定し、何と比較するかを決めます。

2

設備の運転状態を記録する

負荷電流、運転時間、周囲温度、外気、風、設備の設定値などを記録します。

3

放射率と反射温度を設定する

対象物の材質や表面状態に合わせて放射率を設定し、必要に応じて反射温度を補正します。

4

適切な距離と角度から撮影する

測定対象が十分な画素数で映る距離まで近づき、強い反射が入らない角度を選びます。

5

温度スケールを調整する

異常箇所が見やすくなるよう、レベルとスパンを自動または手動で調整します。

6

熱画像と可視画像を保存する

対象機器の名称、測定場所、運転条件が分かるように、熱画像と可視画像を記録します。

7

類似設備・過去画像と比較する

同相、同型機、同負荷、過去の同一設備などと比較し、温度差の原因を検討します。

8

別の測定方法で確認する

必要に応じて電流、電圧、抵抗、振動、接触温度などを測定し、原因を絞り込みます。

サーモグラフィカメラを使用するときの注意点

活線部へ不用意に近づかない

カメラが非接触式でも、撮影者が感電やアークの危険から保護されるわけではありません。 安全距離、保護具、盤の開放手順など、事業所の電気安全ルールを守ってください。

光沢金属は温度誤差が大きくなりやすい

磨かれた銅、アルミ、ステンレスなどは放射率が低く、周囲の熱を鏡のように反射します。 画面上で高温に見えても、実際には撮影者や周囲設備の反射である可能性があります。

安全に実施できる場合は、放射率が分かっているテープや塗装面などを測定基準にします。 活線部や高温部へテープを貼る作業は行わないでください。

放射率を正しく設定する

ゴム、樹脂、塗装面、酸化した金属などは比較的放射率が高く、 光沢金属は低い傾向があります。

放射率設定が実際の表面状態と異なると、表示温度に大きな差が出る場合があります。

反射による高温表示を確認する

撮影角度を少し変えたときに高温箇所が移動する場合は、反射の可能性があります。 複数の角度から撮影し、実際の異常発熱か確認しましょう。

対象が小さすぎると周囲温度が混ざる

画面上に対象が映っていても、数画素しか占めていない場合は、 周囲の温度が測定値へ混ざります。

小さな端子や電子部品を測る場合は、対象へ近づく、解像度の高いモデルを使う、 マクロレンズを使うなどの対策が必要です。

ガラス越しに対象物の温度は測りにくい

一般的なガラスは、産業用サーモグラフィが使用する長波赤外線を十分に透過しません。 ガラス越しに撮影すると、ガラス表面の温度や反射が表示されます。

盤内点検では、サーモグラフィ用に設計された赤外線窓を使用します。

負荷が小さい状態では異常が現れない場合がある

接触抵抗による発熱は、流れる電流によって変化します。 設備停止中や低負荷時には、異常箇所でも十分な温度差が出ない場合があります。

点検時の電流値や負荷率を記録し、可能な範囲で通常運転時または比較可能な条件で撮影します。

風や直射日光の影響を考慮する

屋外設備では、風による冷却、直射日光、雨、雲の変化などが表面温度へ影響します。 太陽光で温められた部分を、設備内部の発熱と誤認しないよう注意してください。

自動スケールだけで判断しない

自動スケールでは、撮影するたびに最低温度と最高温度の範囲が変わります。 小さな温度差でも強い色の違いに見えるため、比較点検では同じ温度スケールへ固定すると判断しやすくなります。

画像だけで原因を断定しない

サーモグラフィは異常箇所を見つけるスクリーニングに有効ですが、 発熱原因まで自動的に特定するものではありません。

電流測定、増し締め履歴、接触抵抗、絶縁抵抗、振動、潤滑状態など、必要な追加点検を行ってください。

人体の診断目的には使用しない

この記事で紹介する製品は、設備・建物・工業用途のサーモグラフィです。 体温計や医療機器としての診断には使用できません。

サーモグラフィカメラに関するよくある質問

サーモグラフィと放射温度計の違いは何ですか?

放射温度計は主に一点付近の温度を数値で測定します。 サーモグラフィは画面内の温度分布を画像として表示し、異常箇所を探しやすいのが特徴です。

熱画像解像度はどのくらい必要ですか?

分電盤全体や建物の広い面を見る用途では160×120画素でも使用できます。 小さな端子、電子部品、離れた設備を測る場合は、240×180画素や256×192画素以上が扱いやすくなります。

40mKと80mKでは何が違いますか?

40mKの方が、80mKより小さな温度差を区別しやすいことを示します。 ただし、熱感度は温度測定精度とは別の性能です。

画面に映っていれば正確に温度測定できますか?

対象が小さすぎると周囲の温度が混ざります。 カメラの解像度、視野角、測定距離から、対象が十分な画素数を占める位置で測定してください。

金属表面の温度を測定できますか?

測定できますが、光沢金属は放射率が低く、周囲の熱を反射するため誤差が大きくなりやすい対象です。 放射率設定と反射の確認が必要です。

ガラス越しに分電盤内部を測定できますか?

一般的なガラス越しでは、内部設備ではなくガラス表面や反射を測定する可能性があります。 盤内測定には、対応波長の赤外線窓を使用してください。

温度が高い端子はすべて異常ですか?

必ずしも異常とは限りません。 電流、負荷率、周囲温度、端子サイズ、同相・他相の温度、メーカー基準などを確認して判断します。

設備停止中でも電気設備を点検できますか?

表面温度は確認できますが、負荷電流によって生じる異常発熱は、停止中には現れない場合があります。 運転条件を考慮して点検計画を立ててください。

B20SとPocket2の違いは何ですか?

どちらも256×192画素・40mK未満・25Hzです。 B20Sはガンタイプで550℃まで、Pocket2は約218gの薄型タッチ操作モデルで400℃まで対応します。

FLIR C5とE6 Proの違いは何ですか?

C5は160×120画素のポケットモデルです。 E6 Proは240×180画素、50mK未満、550℃対応で、本体上の注釈や本格的な保全報告に向いています。

testo 868のSuperResolutionはセンサー解像度ですか?

センサーの基本解像度は160×120画素です。 SuperResolutionは複数の情報を処理し、PC上で320×240画素の画像を生成する機能です。

定期的な校正は必要ですか?

温度測定値を品質記録や判定基準として使用する場合は、社内規定やメーカー推奨に沿った校正が重要です。 異常発見用途でも、定期的に既知温度との比較確認を行うと安心です。

単位換算アプリMyUnitのアイコン
温度・長さの単位換算に

℃・°Fやmm・inchの換算にはMyUnit

サーモグラフィの仕様書では、温度が℃と°F、測定距離や対象サイズがmmとinchで表記される場合があります。

単位換算アプリ「MyUnit」は、温度、長さ、面積、電流、電力、抵抗などの単位換算に対応しています。 海外製測定器の仕様確認や点検記録の整理にも利用できます。

MyUnitの詳細を見る

製品仕様の確認元

製品仕様は、2026年7月時点で以下のメーカー公式ページを確認しています。

まとめ|温度範囲だけでなく、解像度・熱感度・記録方法で選ぼう

設備保全・電気点検向けサーモグラフィを選ぶときは、 最高測定温度だけでなく、熱画像解像度、熱感度、視野角、フレームレート、可視画像、レポート機能を確認することが重要です。

  • B20S:256×192画素・550℃対応のバランス型
  • Pocket2:約218gで持ち運びやすい256×192画素モデル
  • FLIR C5:MSXとクラウド共有に対応するポケット型
  • testo 868:650℃まで測定できる高温設備向けモデル
  • FLIR E6 Pro:240×180画素・MSX・注釈・クラウド連携に対応

日常の電気・機械設備点検を幅広く行うならB20S、 携帯性を優先するならPocket2またはFLIR C5が選びやすいでしょう。

高温設備を測定するならtesto 868、 定期点検の画像管理や報告書作成まで本格的に運用するならFLIR E6 Proが向いています。

サーモグラフィの表示温度だけで異常を断定せず、 放射率、反射、測定距離、設備負荷、周囲環境を確認し、電流や抵抗などの追加測定と組み合わせて判断してください。

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