エアコンの吹出口、換気扇、ダクト、局所排気装置、クリーンルーム、生産設備などの風速を測定するときに使用するのが、業務用風速計です。
風速計には、微風速を測りやすい熱線式と、広い測定面の平均的な気流を捉えやすいベーン式があります。 製品によって測定範囲、精度、プローブ形状、風量演算、平均値計算、データ記録、パソコン・スマートフォン連携が異なります。
空調設備の吹出口を簡単に確認する用途と、ダクト内の風量を記録して報告書へまとめる用途では、必要な機能が大きく異なります。
この記事では、日本カノマックス、テストー、佐藤計量器製作所の業務用風速計5製品を比較します。 空調・換気設備の点検、クリーンルーム、生産工程、局所排気装置など、用途に合ったモデルを確認しましょう。
本記事にはアフィリエイト広告が含まれています。 記事内の商品リンクから購入した場合、244divに紹介料が入ることがあります。 製品の特徴と仕様は、メーカー公式情報をもとに独自に整理しています。
測定前の注意
熱線式プローブは汚れ・水滴・高温ガスに注意
熱線式風速計のセンサーは、細い素子へ空気が当たったときの放熱量から風速を測定します。 粉じん、油煙、水滴、結露、腐食性ガスなどが付着すると、測定誤差やセンサー破損の原因になります。
今回紹介する熱線式モデルは、基本的に清浄な空気流を測定する製品です。 排気ガス、蒸気、薬品雰囲気、高濃度の粉じんを測定する場合は、使用環境への適合をメーカーへ確認してください。
先に結論
簡易点検なら6006-D0、記録・報告まで行うなら6036-00
- シンプルで微風速から測りたい:日本カノマックス 6006-D0
- スマートフォン連携と風量演算:テストー testo 425
- 吹出口をベーン式で測定:佐藤計量器製作所 SK-93F-Ⅱ
- 高精度・伸縮プローブの標準型:日本カノマックス 6035-00
- データ記録・USB・曲げられるプローブ:日本カノマックス 6036-00
風速と風温をその場で確認するだけなら、6006-D0がシンプルで扱いやすいモデルです。
ダクト断面積から風量を演算し、スマートフォンで測定結果を記録したい場合はtesto 425が便利です。
吹出口や換気口の風を広いベーンで捉えたい場合はSK-93F-Ⅱ、 空調設備、クリーンルーム、製造工程で精度を重視する場合は6035-00または6036-00が向いています。
測定データを保存してパソコンへ転送する場合や、狭いダクト内でプローブ先端の角度を変えたい場合は6036-00を選びましょう。
業務用風速計おすすめ5製品の比較表
今回紹介する5製品を、測定方式、風速・温度範囲、精度、風量演算、記録機能、プローブ形状で比較しました。
| 製品 | 測定方式 | 風速範囲 | 風速精度 | 風温範囲 | 風量演算 | データ記録・通信 | プローブ | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| KANOMAX 6006-D0 |
熱式 | 0.01~20.0m/s |
±指示値の5% または0.02m/s |
-20~70℃ | 非対応 | 記録・通信なし |
φ6.1mm先端 延長棒166~960mm |
簡易点検・微風速 |
| テストー testo 425 |
熱線式 | 0.01~30m/s |
0.01~20m/s: ±0.03m/s+4% |
-20~70℃ | 対応 |
Bluetooth testo Smart App |
φ7.5mm 最大820mm |
ダクト・記録・風量 |
| 佐藤計量器 SK-93F-Ⅱ |
ベーン式 | 0.70~25.00m/s |
±5%rdg +0.5m/s |
-10~50℃ | 対応 |
最大8データ RS-232C |
φ70mmベーン コード約0.5m |
吹出口・換気口 |
| KANOMAX 6035-00 |
熱式 | 0.01~30.0m/s |
±指示値の3% または0.02m/s |
-20~70℃ | 対応 |
統計演算 メモリーなし |
ストレート伸縮式 294~1060mm |
空調・クリーンルーム |
| KANOMAX 6036-00 |
熱式 | 0.01~30.0m/s |
±指示値の3% または0.02m/s |
-20~70℃ | 対応 |
1,500データ USB・ソフト |
伸縮・先端可動式 294~1060mm |
記録・研究・報告 |
※精度欄の「または」は、2つの値を計算し、大きい方が適用されることを表します。
※6035-00と6036-00は風速・風温モデルです。6035-B0・C0、6036-B0・C0など、別仕様には圧力測定機能を備える型式があります。
※6035・6036の公式製品ページでは本体質量約260g、2026年版カタログではプローブを含む構成が約420gと記載されています。
業務用風速計とは
業務用風速計は、空気が移動する速さをm/sなどの単位で測定する計測器です。 空調・換気設備では、吹出口やダクト内の風速から風量を求め、設計値や管理基準と比較します。
風速
1秒間に空気が何m移動するかを表します。吹出口やダクト内の気流確認で使います。
風量
一定時間に通過する空気の体積です。風速とダクト断面積から算出できます。
風温
吹出空気やダクト内空気の温度を測定し、空調設備の状態確認に使います。
平均値
風速分布にむらがある場所では、複数点または一定時間の平均値を使用します。
ダクトや吹出口の風量を求める場合は、断面積を入力するだけでなく、複数位置の風速を測定して平均化する必要があります。 一点の最大風速だけを断面積へ掛けると、実際の風量より大きく算出される可能性があります。
熱線式・熱式とベーン式の違い
低風速とダクト内の細かな測定に強い
- 微風速から測定できる
- 細いプローブを小さな点検孔へ挿入できる
- 風速変化への応答が速い
- 風向を正しく合わせる必要がある
- 粉じん、油、水滴、結露に弱い
- 乱流では値が変動しやすい
6006-D0、testo 425、6035-00、6036-00が熱式・熱線式です。 ダクト内、クリーンルーム、空調吹出口、生産設備の冷却風などに向いています。
広い測定面で変動する気流を捉えやすい
- プロペラの回転数から風速を測定する
- 吹出口や換気口の測定に使いやすい
- 広い面積の気流を平均化しやすい
- 熱線式より粉じんの影響を受けにくい傾向
- 低風速側の測定範囲に限界がある
- ベーン径より小さな点検孔には挿入できない
SK-93F-Ⅱは直径約70mmのベーン式です。 エアコン吹出口、換気口、送風機など、比較的広い面の風を測定する用途に向いています。
空調・換気・設備点検での主な用途
吹出口の風速・風量
エアコン、ファンコイル、吹出口ごとの風速を測定し、風量バランスを確認します。
給気・排気量の確認
換気扇、レンジフード、給気口、排気口の風速から換気状態を確認します。
ダクト内風速のトラバース測定
ダクト断面の複数点を測定し、平均風速から風量を計算します。
フード・開口面の吸込気流
局所排気装置や排気フードの開口面で、必要な吸込風速が確保されているか確認します。
吹出風速と気流バランス
HEPAフィルター吹出口、クリーンベンチ、作業エリアの風速分布を確認します。
冷却・乾燥・除じん工程
冷却ファン、乾燥装置、エアブローなどの風速を測定し、工程条件を管理します。
業務用風速計の選び方
必要な最低風速で選ぶ
微風速を測定する場合は、測定範囲の下限を確認します。
- 6006-D0:0.01m/s
- testo 425:0.01m/s
- SK-93F-Ⅱ:0.70m/s
- 6035-00:0.01m/s
- 6036-00:0.01m/s
室内気流、クリーンルーム、弱い吸込風などを測る場合は、0.01m/sから測定できる熱線式が向いています。
SK-93F-Ⅱは下限0.70m/sのため、非常に弱い室内気流よりも、空調吹出口や換気設備の測定に適しています。
測定精度で選ぶ
主な風速精度
- 6006-D0:指示値の±5%または0.02m/sの大きい方
- testo 425:0.01~20m/sで±0.03m/s+指示値の4%
- SK-93F-Ⅱ:±5%rdg+0.5m/s
- 6035-00:指示値の±3%または0.02m/sの大きい方
- 6036-00:指示値の±3%または0.02m/sの大きい方
設備の合否判定、クリーンルーム、研究開発などで精度を重視する場合は、6035-00または6036-00が有力です。
風量演算機能で選ぶ
風量を測定する場合は、ダクトや吹出口の断面積を入力できる製品が便利です。
- 6006-D0:風量演算なし
- testo 425:ダクト断面積を入力して風量表示
- SK-93F-Ⅱ:断面積を設定して風量演算
- 6035-00:円形・矩形ダクトの風量演算
- 6036-00:円形・矩形ダクトの風量演算
6006-D0でも、測定した平均風速と断面積から別途風量を計算できます。 ただし、現場で計算や転記を減らしたい場合は風量演算対応モデルが便利です。
プローブの長さで選ぶ
ダクトの中心付近や天井の吹出口を測定する場合は、伸縮プローブの長さが重要です。
- 6006-D0:プローブ205mm、付属延長棒166~960mm
- testo 425:スケール付きプローブ、最大約820mm
- SK-93F-Ⅱ:φ70mmベーン、コード約0.5m
- 6035-00:伸縮プローブ294~1060mm
- 6036-00:伸縮プローブ294~1060mm、先端角度調整可能
ダクト内部の奥まった場所や、正面からプローブを挿入できない位置では、先端を曲げられる6036-00が便利です。
平均値・最大値・最小値機能で選ぶ
実際の風速は常に変動します。 一瞬の表示値だけでなく、時間平均や複数点平均を確認できるモデルが設備点検に向いています。
- 6006-D0:1秒または5秒の移動平均
- testo 425:時間平均・複数点平均・最小・最大
- SK-93F-Ⅱ:最低・最高・平均・ピークホールド
- 6035-00:平均・最大・最小、時定数変更
- 6036-00:平均・最大・最小、時定数変更
スマートフォン・パソコン連携で選ぶ
測定値をその場で表示するだけなら通信機能は不要ですが、 記録、報告書、トレーサビリティ管理では通信機能が便利です。
Bluetoothアプリ
testo Smart Appで測定値の表示、記録、文書化を行えます。
RS-232C
オプションケーブルを使用して測定値をパソコンへ送信できます。
USB・専用ソフト
最大1,500データを記録し、Windows対応ソフトウェアへ転送できます。
校正証明書の有無で選ぶ
品質管理、ISO監査、検査成績書、顧客提出資料へ測定値を使用する場合は、校正書類の有無を確認します。
今回掲載する6035-00と6036-00の商品リンクは、販売店が校正証明書、トレーサビリティ体系図、成績書を組み合わせた商品です。
校正日、有効期限の社内基準、校正ポイント、証明書の宛名、一般校正かJCSS校正かなどは、注文前に販売店へ確認してください。
本体重量と携帯性で選ぶ
- 6006-D0:約140g・電池を含まず
- testo 425:約268g
- SK-93F-Ⅱ:約360g・電池を含む
- 6035-00:本体約260g・構成約420g
- 6036-00:本体約260g・構成約420g
日常巡回で携帯性を重視するなら6006-D0、 高精度測定と風量演算を重視するなら6035・6036シリーズが向いています。
業務用風速計おすすめ5製品
日本カノマックス KANOMAX 6006-D0
風速・風温の基本測定に特化した軽量なアネモマスターライト
商品画像または商品名を押すと販売ページを確認できます。
6006-D0は、風速と風温の測定に機能を絞った日本カノマックスのコンパクトモデルです。
風速範囲は0.01~20.0m/s、風温範囲は-20~70℃です。 微風速から空調設備や生産設備の風まで、幅広く確認できます。
風速精度は、指示値の±5%または0.02m/sの大きい方です。 風温精度は±1.0℃です。
本体重量は電池を含まず約140gで、今回の5製品では最も軽量です。 付属の伸縮延長棒は166~960mmまで伸ばせるため、天井吹出口やダクト内部の測定にも使用できます。
操作は風速・風温の切り替え、表示保持、FAST・SLOWの移動平均などに絞られています。 風量演算、データメモリー、通信機能はありません。
おすすめポイント
- 0.01m/sから測定可能
- 約140gの軽量本体
- 風速と風温をシンプルに測定
- 166~960mmの延長棒が付属
- 1秒・5秒の移動平均を選択可能
確認したい点
- 風量演算機能はない
- データ記録・通信機能はない
- 測定結果の報告には手書きや別端末が必要
こんな人におすすめ: 空調、換気扇、生産設備などの風速と風温を、シンプルな操作で確認したい人。
テストー testo 425
30m/sまでの測定とアプリ記録に対応する現行熱線式モデル
現行型式0563 0425の仕様を掲載しています。販売ページで型式と付属品を確認してください。
現行testo 425は、風速、風温、風量を測定できる熱線式風速計です。 測定範囲は0.01~30m/sで、全範囲を0.01m/sの分解能で表示します。
0.01~20m/sの風速精度は、±0.03m/s+測定値の4%です。 20.01~30m/sでは、±0.5m/s+測定値の5%となります。
スケール付きの伸縮プローブは最大約820mmまで伸ばせます。 ダクト側面の測定孔から挿入し、深さを確認しながら測定できます。
ダクトの断面積を入力すると、風速から風量を演算できます。 時間平均、複数点平均、最小値、最大値の確認にも対応します。
Bluetoothでtesto Smart Appと接続し、測定結果の表示、記録、文書化を行えます。 内蔵気圧センサーによる風速補正にも対応しています。
おすすめポイント
- 0.01~30m/sを0.01m/s分解能で表示
- 風速・風温・風量を測定
- 最大820mmの伸縮プローブ
- Bluetoothアプリに対応
- 時間平均・複数点平均を計算可能
確認したい点
- 保護等級はIP20
- 熱線センサーを汚れや水滴から保護する必要がある
- スマートフォンの対応OSを購入前に確認する
こんな人におすすめ: ダクト内の風速・風量を測定し、スマートフォンで記録や報告書作成を効率化したい人。
佐藤計量器製作所 SK-93F-Ⅱ
直径70mmベーンで風速・風量・温度を測定
メーカーの正式型式表記はSK-93F-Ⅱ、製品番号は7687-10です。
SK-93F-Ⅱは、直径約70mmのベーンを使用して風速、風量、温度を測定する風速計です。
風速範囲は0.70~25.00m/s、温度範囲は-10~50℃です。 測定断面積を入力すると、測定した風速から風量を演算できます。
ベーン式のため、エアコン吹出口、換気口、送風機など、ある程度広い面を通過する風の測定に向いています。
最低値、最高値、平均値、ピークホールドを表示できます。 風速・風量の測定値は最大8データまで記憶し、その平均値を表示できます。
オプションのRS-232Cケーブルを使用すると、風速と温度の測定値をパソコンへリアルタイム送信できます。 通信プログラムは利用者側で用意する必要があります。
おすすめポイント
- 風速・風量・温度を1台で測定
- 約φ70mmのベーン式
- 最低・最高・平均値を表示
- 最大8データを記憶可能
- RS-232C出力に対応
確認したい点
- 測定下限は0.70m/s
- 微弱な室内気流には不向き
- 細いダクト測定孔へ挿入できない
こんな人におすすめ: エアコン吹出口、換気口、送風機などをベーン式で測定し、風量も確認したい人。
日本カノマックス KANOMAX 6035-00
高精度測定と風量演算に対応するアネモマスター標準モデル
上の商品リンク内の表記は、提供されたアフィリエイトコードをそのまま掲載しています。校正書類の内容と校正日は販売店へ確認してください。
6035-00は、空調設備、クリーンルーム、生産設備、研究開発などに対応するアネモマスターのスタンダードモデルです。
風速範囲は0.01~30.0m/s、風温範囲は-20~70℃です。 風速精度は、指示値の±3%または0.02m/sの大きい方です。
円形・矩形ダクトの形状と寸法を入力し、平均風速から風量を演算できます。 平均値、最大値、最小値の統計計算や、1・5・10・20秒の時定数変更にも対応します。
ストレート型の伸縮プローブは、約294~1060mmまで伸ばせます。 高所の吹出口やダクト内部の測定に便利です。
6035-00には測定データのメモリー保存とUSB通信機能がありません。 測定値を本体で確認し、記録は別途作成する運用に向いています。
公式製品ページでは本体質量約260g、2026年版カタログではプローブを含む構成が約420gと記載されています。
おすすめポイント
- 0.01~30m/sの広い測定範囲
- 風速精度±3%または0.02m/s
- 円形・矩形ダクトの風量演算
- 平均・最大・最小値を表示
- 1060mmまで伸びるプローブ
確認したい点
- 測定データのメモリー保存は非対応
- 6035-00はUSB通信非対応
- 先端を曲げる機能はない
こんな人におすすめ: 空調設備、クリーンルーム、生産工程で高精度な測定を行い、データ転送機能を必要としない人。
日本カノマックス KANOMAX 6036-00
USB通信と角度調整プローブを備えたプロフェッショナルモデル
上の商品リンク内の表記は、提供されたアフィリエイトコードをそのまま掲載しています。校正書類の内容と校正日は販売店へ確認してください。
6036-00は、6035-00の測定性能に、データメモリー、USB通信、専用ソフトウェア、フレキシブルプローブを追加したプロフェッショナルモデルです。
風速範囲は0.01~30.0m/s、風温範囲は-20~70℃です。 風速精度は、指示値の±3%または0.02m/sの大きい方です。
最大1,500データを本体へ記録できます。 USBケーブルとWindows対応の計測ソフトウェアが標準で用意され、測定結果をパソコンへ取り込めます。
プローブは約294~1060mmまで伸縮し、先端のフレキシブル部分を曲げて角度を調整できます。 正面からアクセスできないダクトや装置内部でも、風向に合わせてセンサーを配置しやすくなります。
円形・矩形ダクトの風量演算、平均・最大・最小値、時定数変更にも対応します。 定期点検、研究開発、製品検査、顧客提出データの作成に向いています。
公式製品ページでは本体質量約260g、2026年版カタログではプローブを含む構成が約420gと記載されています。
おすすめポイント
- 最大1,500データを記録
- USB通信・Windowsソフト対応
- 角度調整できるフレキシブルプローブ
- 高精度な風速・風温測定
- 風量演算と統計計算に対応
確認したい点
- 5製品の中では高価格帯
- 機能が多く、簡易点検だけでは持て余す場合がある
- 使用するパソコンの対応環境を確認する
こんな人におすすめ: 測定データを保存・転送し、校正管理や報告書作成まで含めて業務運用したい人。
用途別に選ぶおすすめ業務用風速計
KANOMAX 6006-D0
約140gと軽量で、風速・風温をシンプルに確認できます。
testo 425
最大820mmのプローブ、風量演算、Bluetoothアプリに対応します。
SK-93F-Ⅱ
約φ70mmのベーンで気流を捉え、風速・風量・温度を測定できます。
KANOMAX 6035-00
風速精度と風量演算を重視し、データ通信が不要な現場に向いています。
KANOMAX 6036-00
1,500データ記録、USB通信、可動式プローブを備えています。
風速から風量を求める方法
ダクトや開口部を通過する風量は、基本的に平均風速と断面積から求めます。
風量 Q(m³/s)= 平均風速 v(m/s)× 断面積 A(m²)
m³/sをm³/hへ換算する場合は、1時間が3,600秒なので3,600を掛けます。
風量 Q(m³/h)= 平均風速 v(m/s)× 断面積 A(m²)× 3,600
例:0.4m×0.2mのダクトで平均風速が3m/s
断面積は0.4m×0.2m=0.08m²です。
3m/s×0.08m²=0.24m³/sとなります。
0.24m³/s×3,600=864m³/hです。
ダクト内の風速は、中心部、壁面付近、曲がり部、ダンパー付近で異なります。 規定された測定位置で複数点を測り、平均風速を使用してください。
業務用風速計の基本的な測定手順
測定対象と目的を決める
吹出口の確認、ダクト風量、室内気流、局所排気など、何を評価するか決めます。
測定器の校正期限と状態を確認する
校正ラベル、電池残量、プローブの汚れ・曲がり・破損を確認します。
風向マークを気流へ合わせる
プローブに記載された風向マークを確認し、センサーへ正しい向きから風が当たるようにします。
測定者の影響を避ける
身体、手、ケーブルが気流を遮らない位置からプローブを保持します。
表示が安定するまで待つ
風速と風温の応答時間を考慮し、値が安定してから記録します。
複数点または一定時間を平均する
風速分布と変動を考慮し、用途に合った平均化方法を使用します。
運転条件も一緒に記録する
ファン周波数、ダンパー開度、フィルター状態、測定位置、風温などを記録します。
業務用風速計を使用するときの注意点
回転中のファンへプローブを接触させない
送風機、換気扇、ファンの回転部へプローブやケーブルが巻き込まれると、けがや測定器破損につながります。 必要な安全距離を確保し、保護カバーを取り外して測定する場合は設備管理者の手順に従ってください。
熱線センサーへ直接触れない
熱線式プローブの先端には細いセンサーがあります。 指、布、ブラシ、エアブローなどを直接当てると破損する可能性があります。
水滴・結露を付着させない
冷たいダクトから暖かい室内へ移動したときなどは、プローブに結露する場合があります。 十分に乾燥させてから使用してください。
風向を正しく合わせる
熱線式プローブやベーンには測定方向があります。 斜めや逆向きにすると、表示値が実際より低くなる可能性があります。
測定者の身体で気流を遮らない
吹出口の正面に立つと、身体で風を反射・遮断して測定値へ影響を与える場合があります。 延長棒を使用し、測定者を気流から離しましょう。
乱流が強い位置を避ける
ダクトの曲がり、ダンパー、分岐、ファン直後では、旋回流や乱流が発生します。 可能な範囲で十分な直管部を確保し、複数点を平均してください。
一点の最大値を風量計算へ使わない
ダクト中央の最大風速だけを断面積へ掛けると、風量を過大評価する可能性があります。 測定基準に沿って断面を分割し、平均風速を求めます。
低風速測定では周囲の動きに注意する
0.1m/s以下の微風速では、人の移動、ドアの開閉、空調の変動、プローブを動かす速度などが測定値へ影響します。
汚れた空気を測定しない
油煙、粉じん、ミスト、腐食性ガスなどは熱線センサーへ付着します。 対応環境が不明な場合はメーカーへ確認してください。
校正条件を確認する
校正証明書付き商品でも、校正ポイントや校正日は販売条件によって異なります。 実際に使用する風速範囲が校正点へ含まれているか確認しましょう。
定期的にゼロ付近と既知条件を確認する
無風状態で不自然な値を示す、過去と大きく異なる、応答が遅いなどの症状がある場合は、センサー汚れや故障を疑います。
業務用風速計に関するよくある質問
熱線式とベーン式はどちらがおすすめですか?
微風速や細いダクト測定孔には熱線式、空調吹出口や換気口の広い気流にはベーン式が向いています。 測定場所と必要な最低風速で選びましょう。
風速と風量の違いは何ですか?
風速は空気が移動する速さで、単位はm/sなどです。 風量は一定時間に通過する空気の体積で、m³/hやm³/sなどで表します。
風速計で風量を直接測定できますか?
多くの風速計は、測定した平均風速と入力した断面積から風量を演算します。 正確な風量には、適切な測定位置と複数点平均が必要です。
6006-D0と6035-00の違いは何ですか?
6006-D0は風速・風温のシンプルな軽量モデルです。 6035-00は30m/sまでの測定、より高い風速精度、風量演算、統計計算、時定数変更に対応します。
6035-00と6036-00の違いは何ですか?
基本的な風速・風温性能は共通です。 6036-00は最大1,500データの記録、USB通信、Windowsソフト、角度調整できるフレキシブルプローブに対応します。
testo 425はスマートフォンなしでも使えますか?
本体単独でも測定できます。 スマートフォンアプリを使用すると、測定値の表示、記録、文書化などを効率化できます。
SK-93F-Ⅱは微風速を測定できますか?
測定範囲の下限は0.70m/sです。 0.1m/s前後の室内気流や微風速には、0.01m/sから測定できる熱線式が向いています。
ダクトのどこを測定すればよいですか?
曲がり、分岐、ダンパー、ファン直後を避け、可能な範囲で気流が整った直管部を選びます。 正式な検査では、適用する規格や社内手順に従ってください。
換気扇の中心で1回測れば風量が分かりますか?
中心の風速は最大値になりやすく、全体の平均とは限りません。 開口面を複数に分けて測定し、平均風速と有効面積から算出します。
校正証明書は必要ですか?
日常的な目安測定では必須とは限りません。 品質判定、監査、顧客提出、法令・社内基準に基づく検査では、校正証明書やトレーサビリティ書類が必要になる場合があります。
風速計で屋外の風を測れますか?
測定範囲内であれば測れる場合がありますが、雨、水滴、粉じん、急激な風向変化に注意が必要です。 屋外気象観測には、防水性や耐候性を備えた専用風速計が適しています。
圧縮空気の配管内を測定できますか?
今回紹介する製品は、主に大気圧付近の清浄な空気流を測定する風速計です。 加圧配管内の圧縮空気流量には、配管用流量計など専用機器を使用してください。
m/s・km/h・m³/h・L/minの換算にはMyUnit
風速計や空調設備の仕様書では、m/s、km/h、ft/min、m³/s、m³/h、L/min、CFMなど、さまざまな単位が使われます。
単位換算アプリ「MyUnit」は、速さ、流量、体積、長さ、面積、圧力、温度などの単位換算に対応しています。 海外製風速計や空調設備仕様書の単位確認にも利用できます。
MyUnitの詳細を見る製品仕様の確認元
製品仕様は、2026年7月時点で以下のメーカー公式ページおよび公式資料を確認しています。
まとめ|測定方式・精度・記録方法で業務用風速計を選ぼう
業務用風速計を選ぶときは、最大風速だけでなく、最低風速、測定精度、熱線式・ベーン式、風量演算、プローブ長、平均値計算、通信機能を確認することが重要です。
- 6006-D0:軽量でシンプルな風速・風温モデル
- testo 425:風量演算とBluetoothアプリに対応
- SK-93F-Ⅱ:φ70mmベーンで吹出口を測定
- 6035-00:高精度・風量演算対応の標準モデル
- 6036-00:1,500データ記録・USB・可動式プローブ対応
日常巡回で風速と風温を確認するだけなら6006-D0、 スマートフォンへ記録するならtesto 425が選びやすいでしょう。
吹出口や換気口をベーン式で測るならSK-93F-Ⅱ、 クリーンルームや設備試験で精度を重視するなら6035-00が向いています。
測定値の保存、パソコン転送、校正管理、報告書作成まで行う場合は6036-00が有力です。
どの製品を選んでも、風向、測定位置、気流分布、周囲環境、平均化方法をそろえなければ、再現性のある測定結果は得られません。 測定条件を記録し、同じ手順で比較できるようにしましょう。




