CLAMP METER GUIDE
配線を切らずに電流測定。用途に合うクランプメーター5製品を比較
クランプメーターは、電線をクランプ部分ではさむことで、 回路を切断せずに電流を測定できる電気計測器です。
本記事では、HIOKI、共立電気計器、三和電気計器、Flukeの5製品を比較し、 測定電流、交流・直流対応、True RMS、クランプ径、安全規格などから選び方を解説します。
結論:用途別のおすすめクランプメーター
「直流電圧を測れること」と「直流電流をクランプ測定できること」は異なります。 CM3289、KEW 2200R、DCL11R、Fluke 323は、クランプによる直流電流測定には対応していません。
交流用と交流・直流対応クランプメーターの違い
AC CLAMP METER
交流電流専用モデル
家庭用コンセント、分電盤、モーター、空調設備など、 交流回路の電流測定に使用します。
- 一般的な電気工事
- 空調設備の点検
- 交流モーターの負荷確認
- 分電盤の電流測定
AC/DC CLAMP METER
交流・直流電流対応モデル
交流回路に加えて、バッテリー、太陽光発電設備、 自動車電装などの直流電流も測定できます。
- バッテリー設備
- 太陽光発電システム
- 自動車・電装設備
- インバーターや電源装置
True RMSは「真の実効値方式」を意味します。 インバーター機器やスイッチング電源など、波形が正弦波から歪んでいる場合でも、 実効値を比較的正確に測定しやすい方式です。
クランプメーターの選び方
交流用か交流・直流対応か
分電盤や家庭用電源などの交流回路だけを測る場合は、 交流専用モデルが候補になります。
バッテリー、太陽光発電、自動車電装などの直流電流を測定する場合は、 AC/DC電流対応モデルを選びましょう。
最大測定電流で選ぶ
測定する設備の最大電流が、クランプメーターの測定範囲内に収まることを確認します。
- 300~400A:一般設備、小型盤、電気工事
- 600A:工場設備、直流設備、太陽光発電
- 1000A:大型設備、幹線、モーター設備
True RMS対応で選ぶ
インバーター制御されたモーター、空調機器、 スイッチング電源などを測定する場合は、True RMS対応モデルが適しています。
クランプ径で選ぶ
測定対象の電線がクランプ部分に収まる必要があります。 太い電線を測る場合は、最大導体径を確認してください。
配線が密集した場所では、最大径だけでなく、 クランプ先端の細さや本体の厚さも重要です。
安全規格で選ぶ
クランプメーターには、使用できる電気設備の範囲を示す CAT II、CAT III、CAT IVなどの測定カテゴリがあります。
分電盤や引込線などで使用する場合は、 電圧だけでなく測定カテゴリも必ず確認してください。
電圧・抵抗測定機能で選ぶ
テストリードを使用して、交流・直流電圧、抵抗、導通を測定できるモデルもあります。
電流測定だけでよい場合は小型の専用モデル、 設備点検を1台で行いたい場合は複合機能モデルが便利です。
クランプメーターおすすめ5製品の比較表
| 製品 | クランプ電流 | True RMS | 電圧測定 | 最大導体径 | 重量 | 製品状況 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| KEW 2200R | 交流1000A | 対応 | AC/DC 600V | φ33mm | 約120g | 現行品 |
| Fluke 323 | 交流400A | 対応 | AC/DC 600V | φ30mm | 265g | 現行品 |
| SANWA DCL11R | 交流300A | 対応 | 非対応 | φ22mm | 約120g | 現行品 |
| HIOKI CM3289 | 交流1000A | 対応 | AC/DC 600V | φ33mm | 100g | 廃止・在庫品 |
| HIOKI CM4371-50 | 交流・直流600A | 対応 | AC/DC 1000V | φ33mm | 340g | 廃止・在庫品 |
※「電圧測定」はテストリードを使用した測定です。クランプ部分で測定する電流とは別の機能です。
※メーカー公式情報において、CM3289とCM4371-50は廃止製品として掲載されています。
クランプメーターおすすめ5選
KYORITSU
共立電気計器 KEW 2200R|薄型・軽量の交流1000Aモデル
KEW 2200Rは、交流1000Aまで測定できる薄型・軽量のクランプメーターです。 φ33mmのティアドロップ型クランプを採用し、配線が密集した場所でも使用しやすく設計されています。
クランプによる交流電流測定に加えて、 テストリードによる交流・直流電圧、抵抗、導通チェックにも対応しています。
- 薄型で持ち運びやすいモデルを選びたい
- 交流1000Aまで測定したい
- 電圧、抵抗、導通も1台で確認したい
- 配線が密集した分電盤や設備で使用したい
FLUKE
Fluke 323|電気工事や設備点検に使いやすい基本モデル
Fluke 323は、交流400Aまで測定できるTrue RMSクランプメーターです。 一般住宅や商業設備の電気トラブルを確認する基本工具として設計されています。
テストリードを使用して、交流・直流600V、抵抗、導通を測定できます。 大型表示とデータホールド機能を備え、測定結果を確認しやすいことも特徴です。
Fluke 323は直流電圧を測定できますが、 クランプ部分による直流電流測定には対応していません。
- 電気工事や一般設備の点検に使用したい
- Flukeの測定器を選びたい
- 交流400Aまで測定できれば十分
- 大型表示とシンプルな操作性を重視したい
SANWA
三和電気計器 DCL11R|小型で扱いやすい交流電流専用モデル
DCL11Rは、交流300Aまで測定できるTrue RMS対応のミニクランプメーターです。 高さ145mm、重さ約120gのコンパクトな本体で、携帯しやすいことが特徴です。
操作を交流電流測定に絞り、ワンボタンで測定とデータホールドを行えます。 バックライトも搭載しているため、暗い盤内での数値確認にも便利です。
DCL11Rは交流電流のクランプ測定に機能を絞ったモデルです。 電圧や抵抗も測定する場合は、別途テスターが必要です。
- 交流電流だけを手軽に測定したい
- ポケットに入れやすい小型モデルがよい
- 暗い場所でバックライトを使用したい
- 最大300Aまでの設備を測定したい
HIOKI
HIOKI CM3289|交流1000A対応の薄型・軽量モデル
CM3289は、交流1000Aまで測定できるTrue RMSクランプメーターです。 厚さ16mm、重さ100gの薄型・軽量設計で、狭い配線にもクランプしやすく作られています。
テストリードによる交流・直流電圧、抵抗、導通チェックにも対応しています。 オプションのフレキシブルセンサーを接続すると、太い電線や複数の配線も測定できます。
CM3289はメーカー公式サイトで廃止製品として案内されています。 購入前に在庫、保証、校正、修理対応について販売店へ確認してください。
- 在庫品を手頃な価格で購入できる
- 薄型・軽量の交流1000Aモデルを探している
- 交流電流と電圧・抵抗を1台で測りたい
- 廃止製品であることを理解して購入できる
HIOKI
HIOKI CM4371-50|交流・直流600A対応の高機能モデル
CM4371-50は、交流・直流600Aまでクランプ測定できる高機能モデルです。 AC/DC自動判別、突入電流測定、オートホールドなど、設備保全に役立つ機能を備えています。
テストリードでは交流・直流1000Vまで測定でき、 オプションの高電圧プローブを使用すると太陽光発電設備の高電圧測定にも対応します。
CM4371-50は廃止製品として掲載されています。 直流電流対応の現行機種も含めて比較し、在庫、修理、校正対応をご確認ください。
- 交流・直流電流の両方を測定したい
- バッテリーや太陽光発電設備を点検したい
- 突入電流やAC/DC自動判別機能を使用したい
- 廃止製品であることを理解して購入できる
5製品の選び分け
クランプメーターの基本的な使い方
測定する電流の種類を確認する
測定対象が交流か直流かを確認し、対応する測定モードを選択します。
測定レンジと安全規格を確認する
予想される電流が測定範囲内であることと、 使用場所が製品の測定カテゴリに適合していることを確認します。
1本の導体だけをクランプする
往路と復路の電線を同時にはさむと磁界が打ち消し合い、 正しい電流値を測定できません。
導体をクランプ中央に配置する
クランプを確実に閉じ、可能な限り導体をクランプ部分の中央に配置します。
直流電流ではゼロ調整する
AC/DC対応モデルで直流電流を測る場合は、 メーカーの取扱説明書に従ってゼロ調整を行います。
クランプメーター使用時の注意点
活線作業は有資格者が行う
高電圧回路や分電盤の測定には感電や短絡の危険があります。 必要な知識と資格を持つ人が、安全手順に従って作業してください。
CAT規格を超えて使用しない
測定電圧だけでなく、使用場所に必要な測定カテゴリを確認してください。
クランプ部分を完全に閉じる
クランプの合わせ面に異物や汚れがあると、 測定誤差の原因になる場合があります。
被覆が損傷した配線に注意する
導体が露出した配線や破損した設備では測定せず、 可能な場合は電源を遮断して安全を確保してください。
クランプメーターのよくある質問
クランプメーターは電線を切らずに測定できますか?
はい。測定対象の導体1本をクランプではさむことで、 回路を切断せずに電流を測定できます。
2本の電線をまとめてはさんでも測定できますか?
通常の負荷電流測定では、往路と復路を同時にはさむと磁界が打ち消し合います。 基本的には測定したい導体1本だけをはさんでください。
交流専用モデルで直流電流を測定できますか?
できません。直流電流をクランプ測定する場合は、 AC/DC電流対応と明記されたモデルが必要です。
直流電圧対応なら直流電流も測れますか?
必ずしも測れません。 テストリードによる直流電圧測定と、クランプによる直流電流測定は別の機能です。
True RMSは必要ですか?
インバーター機器、空調設備、スイッチング電源など、 波形が歪む可能性のある設備を測定する場合はTrue RMS対応が適しています。
漏電電流も測定できますか?
一般的な負荷電流用クランプメーターでは、 微小な漏れ電流を十分な分解能で測定できない場合があります。 漏電測定には漏れ電流対応クランプメーターを使用してください。
クランプメーターとテスターの違いは何ですか?
クランプメーターは、回路を切断せずに電流を測定できることが特徴です。 テスターは、電圧、抵抗、導通などの測定を中心に使用します。
SUMMARY
交流専用か交流・直流対応かを最初に確認しよう
クランプメーターを選ぶときは、測定する電流の種類、 最大測定電流、True RMS、クランプ径、安全規格を確認することが重要です。
交流設備の点検に幅広く使うなら共立電気計器 KEW 2200R、 信頼性と基本性能を重視するならFluke 323が選びやすいでしょう。
交流電流だけを小型機で測定するなら三和電気計器 DCL11R、 直流電流まで測定する場合はAC/DC対応モデルを選んでください。
無料単位換算アプリ
電流・電力・抵抗の単位換算にはMyUnit
MyUnitは、電流、電力、抵抗、電荷、圧力、長さなどの単位を簡単に換算できるアプリです。 海外仕様書の確認や、電気・設備関連の計算に活用できます。
MyUnitを詳しく見る



