設備仕様書、シリンダー推力、ばね荷重、引張力、押付力、クランプ力、試験荷重などを見ていると、kgfやNという単位が出てくることがあります。さらに、kgという単位も似ているため、「kgとkgfは同じ?」「Nに直すにはどうする?」と迷いやすいポイントです。
結論から言うと、kgfは力の単位、Nも力の単位です。一方で、kgは質量の単位です。kgfとkgは見た目が似ていますが、意味は違います。
結論:kgfとNの変換式
1 kgf = 9.80665 N
1 N = 約0.101972 kgf
N = kgf × 9.80665
kgf = N ÷ 9.80665
たとえば、10kgfは約98.07N、100kgfは約980.67Nです。反対に、100Nは約10.20kgf、1000Nは約101.97kgfです。
まず押さえたい違い
kg:質量の単位
kgf:力の単位
N:力の単位
kgfは「キログラム重」または「重量キログラム」と呼ばれることがあります。1kgの質量に標準重力加速度がかかったときの力が、1kgfです。
まずは、kgfとNの早見表を確認しておきましょう。設備、機械、治具、ばね、シリンダー、荷重試験などでよく使いやすい値を中心にまとめています。
kgfからNへの早見表
| kgf | N | 主なイメージ |
|---|---|---|
| 0.1 kgf | 0.981 N | 小さな押付力 |
| 0.5 kgf | 4.903 N | 軽い荷重 |
| 1 kgf | 9.807 N | 基本換算値 |
| 2 kgf | 19.613 N | 小型部品の荷重 |
| 5 kgf | 49.033 N | ばね・治具荷重 |
| 10 kgf | 98.067 N | 約100N |
| 20 kgf | 196.133 N | 押付力・引張力 |
| 50 kgf | 490.333 N | 設備・治具荷重 |
| 100 kgf | 980.665 N | 約1kN |
| 1000 kgf | 9806.65 N | 約9.81kN |
Nからkgfへの早見表
Nをkgfへ変換する場合は、Nの値を9.80665で割ります。ざっくり見る場合は、10N ≒ 1kgfとしてイメージすると便利です。
| N | kgf | 主なイメージ |
|---|---|---|
| 1 N | 0.102 kgf | 小さな力 |
| 5 N | 0.510 kgf | 軽い押付力 |
| 10 N | 1.020 kgf | 約1kgf |
| 50 N | 5.099 kgf | ばね・治具荷重 |
| 100 N | 10.197 kgf | 約10kgf |
| 200 N | 20.394 kgf | 押付力・引張力 |
| 500 N | 50.986 kgf | 設備荷重 |
| 1000 N | 101.972 kgf | 1kN |
| 5000 N | 509.858 kgf | 大型荷重 |
| 10000 N | 1019.716 kgf | 10kN |
kgfとは?
kgfは、kilogram-forceの略で、キログラム重または重量キログラムと呼ばれる力の単位です。1kgfは、1kgの質量に標準重力加速度がかかったときの力を表します。
標準重力加速度は9.80665m/s²なので、1kgfは9.80665Nになります。
1 kgf = 1 kg × 9.80665 m/s²
1 kgf = 9.80665 N
kgfがよく使われる場面
- 古い設備仕様書、機械資料
- シリンダー推力、クランプ力、押付力
- ばね荷重、引張荷重、圧縮荷重
- 治具や装置の荷重条件
- 現場での力の感覚をkgに近い形で表したい場合
- kgf/cm²などの古い圧力単位
Nとは?
Nはニュートンと読み、SI単位系で使われる力の単位です。1Nは、1kgの物体に1m/s²の加速度を与える力です。
1 N = 1 kg・m/s²
現在の技術資料、設計資料、試験規格、設備仕様では、力の単位としてNやkNが使われることが多いです。kgfよりもNの方が正式な力の単位として扱いやすい場面が多くあります。
Nがよく使われる場面
- 力、荷重、推力、引張力、圧縮力
- 試験規格、材料試験、強度試験
- シリンダー推力、モーター推力
- ばね定数、押付力、クランプ力
- 安全率、設計荷重、構造計算
- SI単位系で統一された技術資料
kg・kgf・Nの違い
kgfとNを理解するうえで、kgとの違いを押さえることが重要です。kgは質量の単位で、kgfとNは力の単位です。
| 単位 | 読み方 | 種類 | 意味 |
|---|---|---|---|
| kg | キログラム | 質量 | 物体そのものの量 |
| kgf | キログラム重 | 力 | 1kgの質量に標準重力がかかった力 |
| N | ニュートン | 力 | SI単位系の力の単位 |
重要:kgとkgfは同じではない
kgは質量、kgfは力です。見た目が似ていますが、厳密には別の物理量です。仕様書や設計資料では、kgなのかkgfなのかを必ず確認しましょう。
kgfからNに変換する方法
kgfからNへ変換するには、kgfの数値に9.80665を掛けます。
N = kgf × 9.80665
例1:1kgfをNに変換
1kgfをNに変換します。
1 × 9.80665 = 9.80665
したがって、1kgf = 9.80665Nです。
例2:10kgfをNに変換
10kgfをNに変換します。
10 × 9.80665 = 98.0665
したがって、10kgf = 約98.07Nです。
例3:100kgfをNに変換
100kgfをNに変換します。
100 × 9.80665 = 980.665
したがって、100kgf = 約980.67Nです。約1kNに近い値です。
Nからkgfに変換する方法
Nからkgfへ変換するには、Nの数値を9.80665で割ります。
kgf = N ÷ 9.80665
例1:100Nをkgfに変換
100Nをkgfに変換します。
100 ÷ 9.80665 = 10.197
したがって、100N = 約10.20kgfです。
例2:500Nをkgfに変換
500Nをkgfに変換します。
500 ÷ 9.80665 = 50.986
したがって、500N = 約50.99kgfです。
例3:1000Nをkgfに変換
1000Nをkgfに変換します。
1000 ÷ 9.80665 = 101.972
したがって、1000N = 約101.97kgfです。
複数の力・重さ単位をまとめて確認したい場合
kgfとNの単発換算であれば、この記事の式と早見表で対応できます。ただ、実務では力だけでなく、重さ、圧力、トルク、長さ、流量、温度なども同じ資料に出てくることがあります。
たとえば、海外仕様書では荷重がlbf、寸法がinch、圧力がpsi、流量がGPM、温度が°Fで書かれていることがあります。国内資料向けには、N、mm、kPa、L/min、℃にそろえると確認しやすくなります。
単位換算・単位変換アプリ
力・重さ・圧力・長さをまとめて確認するならMyUnit
kgfとNのような力の単位だけでなく、重さ、圧力、流量、温度、長さなどをまとめて確認したい場合は、単位換算アプリ「MyUnit」も便利です。単発の換算ならこの記事で十分ですが、複数単位を日常的に扱う場合は、保存・整理・一括換算ができると確認作業が楽になります。
なぜ1kgfは9.80665Nなのか?
1kgfは、1kgの質量に標準重力加速度9.80665m/s²がかかったときの力です。力は「質量 × 加速度」で求めます。
力 = 質量 × 加速度
1kgf = 1kg × 9.80665m/s²
1N = 1kg・m/s²
1kgf = 9.80665N
つまり、kgfは「kg」という文字が入っていますが、単なる質量ではなく、重力によって生じる力を表している単位です。
実務例1:シリンダー推力を換算する
古い設備資料やカタログでは、エアシリンダーや油圧シリンダーの推力がkgfで書かれていることがあります。新しい資料やSI単位系の資料ではNで表されることが多いです。
たとえば、シリンダー推力が50kgfと書かれている場合、
50 × 9.80665 = 490.3325
50kgf = 約490.33N
国内資料や設計メモでは、「50kgf(約490N)」のように併記すると確認しやすくなります。
実務例2:ばね荷重を換算する
ばねの押付力や引張力では、kgfやNが混在することがあります。たとえば、ばね荷重が20Nと書かれている場合、kgfへ換算すると、
20 ÷ 9.80665 = 2.039
20N = 約2.04kgf
現場で「何kgくらいの力か」をイメージしたい場合、kgf換算が役立つことがあります。ただし、正式な資料ではNで統一する方がわかりやすい場合もあります。
実務例3:試験荷重を換算する
引張試験、圧縮試験、押付試験などでは、試験荷重がNやkNで指定されることがあります。古い資料ではkgfで書かれていることもあります。
たとえば、試験荷重が100kgfの場合、
100 × 9.80665 = 980.665
100kgf = 約980.67N = 約0.981kN
kN単位で扱う場合は、Nに変換したあと1000で割ります。大きな荷重ではkN表記の方が見やすいことがあります。
kNとの関係
Nが大きくなると、kNという単位がよく使われます。kNはキロニュートンで、1kN = 1000Nです。
| 単位 | 関係 | よく使う場面 |
|---|---|---|
| N | 基本の力の単位 | 小〜中程度の力、ばね、押付力 |
| kN | 1kN = 1000N | 大きな荷重、構造、試験、吊り荷 |
| kgf | 1kgf = 9.80665N | 古い資料、現場表現、荷重感の把握 |
目安として、100kgfは約0.981kNです。ざっくり見れば、100kgfは約1kNに近いと考えることができます。
lbfとの違い
海外仕様書では、力の単位としてlbfが出てくることがあります。lbfはpound-force、つまりポンド力です。
| 単位 | 読み方 | 種類 | 関係 |
|---|---|---|---|
| N | ニュートン | 力 | SI単位 |
| kgf | キログラム重 | 力 | 1kgf = 9.80665N |
| lbf | ポンド力 | 力 | 1lbf ≒ 4.44822N |
| lb | ポンド | 質量・重量表記 | 1lb ≒ 0.453592kg |
lbとlbfも混同しやすい単位です。lbはポンド、lbfはポンド力です。力を扱う資料では、単位にfが付いているか確認しましょう。
カスタム単位や複数ステップ計算が必要な場合
kgfとNの変換だけなら、この記事の式と早見表で対応できます。ただし、実務では力だけでなく、圧力、トルク、流量、長さ、質量などをまとめて確認する場面があります。
たとえば、シリンダー推力をNで確認し、圧力をMPa、寸法をmm、荷重をkgf、海外資料ではlbfやpsiというように、複数の単位が混在することがあります。こうした単位をまとめて整理できると、確認作業のミスを減らしやすくなります。
MyUnitが便利な場面
単位換算アプリ「MyUnit」は、既存単位の換算だけでなく、カスタム単位の追加や複数ステップ計算にも対応しています。力、重さ、圧力、流量、温度、長さなど、工学系・実務系の単位を日常的に扱う方に向いています。
- kgfとNをすぐに変換したい
- N、kN、kgf、lbfをまとめて確認したい
- シリンダー推力や試験荷重を整理したい
- 圧力、長さ、流量、温度も一緒に変換したい
- 海外仕様書の単位を国内向けに読み替えたい
- よく使う換算を保存・整理したい
- CSVで換算結果を共有したい
単発の換算なら記事内の式で十分ですが、複数の単位を何度も確認する場合は、アプリにまとめておくと時短とミス防止につながります。
kgfとN変換でよくある間違い
間違い1:kgとkgfを同じだと思う
kgは質量、kgfは力です。似た表記ですが、意味は違います。特に、設備仕様書や試験条件ではkgfなのかkgなのかを確認しましょう。
間違い2:1kgfを1Nだと思う
1kgfは1Nではなく、9.80665Nです。ざっくり見るなら1kgfは約10Nです。
誤:1kgf = 1N
正:1kgf = 9.80665N
間違い3:Nからkgfにするとき9.80665を掛ける
9.80665を掛けるのはkgfからNへ変換するときです。Nからkgfへ変換する場合は、9.80665で割ります。
kgf → N:× 9.80665
N → kgf:÷ 9.80665
間違い4:lbとlbfを混同する
lbはポンド、lbfはポンド力です。海外仕様書で力を扱う場合は、lbf表記になっていないか確認しましょう。
間違い5:荷重と質量を混同する
荷重は力、質量は物体そのものの量です。現場では「何kgの荷重」という表現をすることがありますが、厳密には力としてNやkgfで整理する方がわかりやすいです。
実務でのチェックリスト
kgfとNを実務で扱うときは、次の点を確認するとミスを減らせます。
- kgは質量、kgfとNは力の単位であることを確認する
- 1kgf = 9.80665Nを基準にする
- 1N = 約0.101972kgfを基準にする
- kgfからNへは9.80665を掛ける
- Nからkgfへは9.80665で割る
- 大きな力はkN表記も確認する
- 海外仕様書ではlbfが出ていないか確認する
- 荷重、質量、力を混同しない
- 元の単位と変換後の値を併記する
- 設計資料では単位をN系で統一するか検討する
まとめ
kgfとNは、どちらも力を表す単位です。1kgf = 9.80665N、1N = 約0.101972kgfを基準にします。kgfからNへは9.80665を掛け、Nからkgfへは9.80665で割ります。
この記事のまとめ
- kgは質量の単位
- kgfは力の単位
- Nも力の単位
- 1kgf = 9.80665N
- 1N = 約0.101972kgf
- N = kgf × 9.80665
- kgf = N ÷ 9.80665
- 10kgf = 約98.07N
- 100N = 約10.20kgf
- kgとkgfを混同しない
単発の確認なら、この記事内の式と早見表で対応できます。ただ、設備資料や海外仕様書ではkgf、N、kN、lbf、kg、lb、psi、MPa、inch、mmなど複数の単位が混在しやすいため、換算結果を保存したり、よく使う単位を整理したりできるツールを使うと、確認作業の時短とミス防止につながります。
力・重さ・圧力・流量・長さなどをまとめて確認したい方へ
この記事のkgfとNの変換だけでなく、力、重さ、圧力、流量、温度、長さなどの単位をまとめて確認したい場合は、単位換算アプリ「MyUnit」も使えます。カスタム単位、複数ステップ計算、CSV共有にも対応しているため、設備仕様書、シリンダー推力、試験荷重、海外資料の単位確認にも便利です。
FAQ
Q1. 1kgfは何Nですか?
1kgfは9.80665Nです。
Q2. 1Nは何kgfですか?
1Nは約0.101972kgfです。
Q3. kgfをNに変換する式は?
N = kgf × 9.80665です。たとえば10kgfは約98.07Nです。
Q4. Nをkgfに変換する式は?
kgf = N ÷ 9.80665です。たとえば100Nは約10.20kgfです。
Q5. kgとkgfは同じですか?
同じではありません。kgは質量の単位、kgfは力の単位です。
Q6. Nとは何の単位ですか?
Nはニュートンで、力の単位です。1N = 1kg・m/s²です。
Q7. 100kgfは何Nですか?
100kgfは約980.67Nです。約0.981kNです。
Q8. 1000Nは何kgfですか?
1000Nは約101.97kgfです。
Q9. 1kNは何Nですか?
1kNは1000Nです。
Q10. 1kNは何kgfですか?
1kNは1000Nなので、約101.97kgfです。
Q11. lbfとlbは違いますか?
違います。lbfはポンド力で力の単位、lbはポンドで質量・重量表記として使われる単位です。
Q12. kgfとNの変換を毎回手計算するのが面倒です
単発の確認ならこの記事の式や早見表で対応できます。kgf、N、kN、lbfに加えて、重さ、圧力、流量、温度、長さなど複数の単位を日常的に扱う場合は、単位換算アプリを使うと便利です。MyUnitでは、既存単位の換算、カスタム単位、複数ステップ計算、CSV共有などに対応しています。




