クランプオン式超音波流量計の選び方|配管・流体・設置条件を確認

クランプオン式超音波流量計を選ぶときは、「配管の外側にセンサを取り付けられるか」だけでなく、測定する流体、配管の材質・口径・肉厚、気泡や固形物の有無、直管長、設置形態まで確認する必要があります。この記事では、公式資料で確認できる範囲をもとに、クランプオン式超音波流量計の選び方と導入前の確認項目を整理します。

先に結論

クランプオン式超音波流量計は「測る流体」と「配管条件」で選ぶ

クランプオン式超音波流量計は、配管の外側にセンサを取り付けて流量を測定する方式です。製品によっては既設配管を切断せずに設置でき、設備稼働中の取り付けや配管工事を伴わない設置が案内されています。

  • 測定する流体の種類が、候補製品の適用範囲に含まれるか確認する
  • 配管の材質、口径、肉厚、ライニング、内面状態を確認する
  • 流速、粘度、音速、固形物、気泡などの流体条件を確認する
  • 直管長と、センサを取り付ける配管表面の状態を確認する
  • 常設するなら設置形、複数箇所を必要時に測るならポータブル形を検討する

ただし、対応条件は製品ごとに異なります。方式名だけで測定可否を判断せず、導入前に最新の公式仕様書と取扱説明書を確認してください。

クランプオン式超音波流量計の特徴

配管の外側から測定する方式

クランプオン式は、配管の外側にセンサを取り付けて測定します。配管内部へ流量計を挿入する方式とは異なり、製品によっては既設配管を切断せずに設置できます。非接触測定や配管工事不要を特徴として案内する製品もあります。

一方で、「クランプオン式なら必ず設備を停止せずに設置できる」とは限りません。配管の状態、設置スペース、製品仕様などによって条件が変わるため、設備を止めずに取り付けられるかは個別に確認が必要です。

測定対象の種類を確認する

測定対象は製品ごとに異なります。この記事では、公式資料で確認できる液体用製品と、飽和蒸気を対象とする製品の例を中心に整理します。候補製品が測定対象の条件に対応しているかは、個別に確認してください。

たとえば、富士電機の公式資料では、クランプオン式蒸気用製品について、対象を飽和蒸気とし、配管材質を鋼・ステンレス、対応口径を50~100mm、流体温度を120~180℃、流体圧力を0.1~0.9MPa(G)と案内しています。加熱蒸気は対応対象外とされています。これは特定製品の仕様であり、クランプオン式蒸気流量計全般に当てはまる条件ではありません。

クランプオン式超音波流量計の選び方

1. 測定する流体の種類と状態を確認する

液体用を選ぶ場合でも、流速、粘度、音速、固形物、気泡などが測定可否や精度に影響します。流速が極めて遅い場合や、レイノルズ数が低い場合、多量の固形物・気泡を含む場合には注意が必要です。

気泡への対応力は製品差があります。耐気泡性能を説明する製品がある一方で、多量の気泡や固形物を含む液体は測定に適さないとする取扱説明書もあります。スラリー、高粘度流体、気泡を含む液体を測る場合は、流体の状態を具体的に伝えて適用可否を確認しましょう。

2. 配管材質・口径・肉厚を確認する

対応する配管材質は製品ごとに異なります。公式資料には、金属管、PVCなどのプラスチック管、PVDF、ライニング管を対象とする例があります。ただし、ライニングの密着状態や配管内部の腐食によって、超音波が正しく伝わらず測定できない場合があります。

口径も製品選定の基本条件です。富士電機の液体用シリーズでは、設置形・ポータブル形で13~6000mmの配管口径に対応するラインナップが案内されています。また、同社のFSZ形では小口径向けとしてφ8~32mmが示されています。これらは各製品・シリーズの仕様であり、別の製品へそのまま適用できる数値ではありません。

口径だけでなく、配管の肉厚、ライニングの有無、内面の腐食状態も確認します。配管材質と口径が合っていても、肉厚や内面状態などが製品の適用条件から外れる可能性があります。

3. 必要な直管長を確認する

センサを取り付ける場所には、流れが安定しやすい直管部が必要になる場合があります。必要な直管長は製品と測定対象によって異なります。

例として、富士電機のFSZ形では上流10D以上・下流5D以上、蒸気用製品では上流20D以上・下流10D以上が示されています。Dは配管内径です。エルボ、バルブ、ポンプなどの位置関係や、配管内で気泡が滞留しやすい場所も含めて、メーカー資料で設置条件を確認してください。

設置場所とセンサの取り付けで確認すること

設置場所とセンサの取り付けで確認することのイメージ

センサ取付面の状態

センサを取り付ける位置は、配管表面の状態を確認します。公式取扱説明書では、溶接線や溶着線を避け、配管表面の錆や厚いコーティングを取り除くよう案内しています。

古い鉄系配管の内部腐食や、配管とライニング材の密着不良があると、超音波が正しく伝搬しない場合があります。外観だけで判断せず、配管の使用状況や内部状態に関する情報も確認しましょう。

V法・Z法とセンサ間距離

公式取扱説明書では、配管材質や口径に応じてV法またはZ法を選択し、変換器に配管・流体などのデータを入力して算出されたセンサ間距離に合わせてセンサを設置する流れが示されています。

センサの配置方法や距離は、メーカーや製品によって異なります。別の機種の手順や数値を流用せず、使用する製品の取扱説明書に従ってください。

水平配管では気泡にも注意する

水平配管に取り付ける場合、超音波の伝搬経路が水平になるように設置するよう案内されています。伝搬経路を垂直にすると、管内の気泡によって正常に動作しない可能性があります。センサ位置は直管長だけでなく、気泡が集まりやすい場所かどうかも確認してください。

設置形とポータブル形の違い

形態 向いている使い方 確認したい点
設置形 壁面・パイプなどに固定して常設する用途 出力、警報、通信などの対応は製品仕様で確認
ポータブル形 現場の各点を必要なときに測定する用途 センサ固定方法、データ保存、バッテリ動作などは機種ごとに確認

設置形は、壁面・パイプ取付などの常設用途向けとして案内されています。製品によってアナログ出力、パルス出力、警報出力、RS-485通信などに対応しますが、すべての設置形に備わるとは限りません。

ポータブル形は、現場の複数箇所を必要なときに測る用途に向きます。富士電機のPortaflow-Cでは、ハンディタイプ、ベルトによる検出器固定、SDカードへの測定データ保存、内蔵バッテリによる連続12時間動作が案内されています。これも特定機種の仕様であり、ポータブル形全般の共通機能ではありません。

常設監視が必要なのか、点検時の確認が中心なのかを先に決めると、製品形態を比較しやすくなります。

導入前チェックリスト

仕様確認で整理する項目

  • 測定対象は候補製品の適用範囲に含まれるか。蒸気の場合は種類が適用対象か
  • 流体の流速、粘度、音速、固形物、気泡の状態はどうか
  • 配管の材質、口径、肉厚、ライニングの有無を確認したか
  • 配管内部の腐食やライニングの密着不良がないか
  • 設置場所に必要な直管長を確保できるか
  • エルボ、バルブ、ポンプ、気泡が滞留しやすい場所を避けられるか
  • センサ取付面に錆、厚い塗膜、溶接・溶着線がないか
  • 常設するのか、必要時だけ測るのか
  • 必要な出力・通信・データ保存機能が製品仕様にあるか
公開前・購入前の注意

対応口径、配管材質、肉厚、流体温度・圧力、精度、直管長、出力・通信方式、電源、防塵防水性能などは変更される可能性があります。最新の公式製品ページ、仕様書、取扱説明書で再確認してください。

まとめ|方式ではなく現場条件から選ぶ

クランプオン式超音波流量計は、配管の外側にセンサを取り付け、既設配管を切断せずに設置できる製品がある点が特徴です。ただし、測定対象の種類によって条件が異なり、液体用でも気泡、固形物、流速、粘度、配管の材質・肉厚・内面状態が測定に関係します。

選定時は、測定対象、配管条件、直管長、センサ取付面、設置形態を順に確認しましょう。最終的な測定可否や仕様値は製品ごとに異なるため、候補製品の最新資料と取扱説明書で現場条件を照合することが重要です。

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