プレスケールモーションとは?動的な圧力分布を可視化する仕組みと使い方

プレスケールモーションとは、加圧開始から終了までの圧力分布の動的な変化を、リアルタイムに可視化する面圧センサシステムです。静止した状態の圧力だけでなく、加圧中にどのように圧力がかかっていくかを確認したい場合に、専用フィルム・コントローラ・アプリを組み合わせて使用します。

先に結論

プレスケールモーションは「加圧中の変化」を見るためのシステム

プレスケールモーションは、専用フィルムとコントローラで構成される面圧センサに、プレスケールモバイルをインストールしたモバイル端末を組み合わせて使います。加圧開始から終了までの圧力のかかり具合をリアルタイムに表示できる点が特徴です。

最大加圧時の静的な圧力データは、プレスケールおよびプレスケールモバイルで取得します。プレスケールモーションの動的データと組み合わせることで、圧力値・圧力分布と、その経時変化を比較・分析できます。

静的な圧力測定との違い

一般的に圧力を確認するときは、ある時点または最大加圧時の数値や分布を見ます。一方、プレスケールモーションが対象にするのは、加圧が始まってから終わるまでの変化です。

たとえば、最大加圧時の結果だけでは把握しにくい「圧力がどのように広がったか」「加圧中に分布がどう変わったか」を、動的面圧データとして確認できます。静的データを取得するプレスケールおよびプレスケールモバイルと、動的データを取得するプレスケールモーションは役割が異なります。

静的データと動的データは別の情報ですプレスケールモーション単体で静的な圧力データも取得できる、と考えないようにしましょう。公式情報では、静的データと動的データを組み合わせて評価する構成として説明されています。

プレスケールモーションの構成と仕組み

プレスケールモーションの構成と仕組みのイメージ

使用する主な構成要素は、次の3つです。

主な構成

  • 圧力を検知する専用フィルム
  • 専用フィルムと接続するコントローラ
  • プレスケールモバイルをインストールしたモバイル端末

面圧センサとモバイル端末は、無線BLEで接続します。コントローラは内蔵バッテリーで給電され、コントローラ側で取得したデータをモバイル端末で測定・表示します。

専用フィルムの計測サイズは80mm角と200mm角があり、素子サイズはそれぞれ2.5mmと6.25mmです。フィルムの厚みは0.2mm以下で、推奨対応圧は0.5~2.5MPaとされています。ただし、この値は固定的な測定範囲ではなく、感度調整機能により対応圧は可変です。

公式に示されている測定項目

プレスケールモーションで公式に示されている測定項目は、総圧、平均圧、面積(ドット数)、均一性です。

項目 公式情報での意味
総圧 検査枠の領域で検知された8bit値の合計値
平均圧 検査枠の領域における8bit値の平均値
面積(ドット数) 8bit値が検知されたドット数の合計値
均一性 検査枠の領域で検知された8bit値の均一性の指標

動的面圧データは、測定・表示だけでなく、保存、再生、TSV形式での出力にも対応します。また、プレスケールモバイルのデータとの併記、分析、データの紐づけも公式機能として示されています。

MPa表示と決めつけないフィルムの推奨対応圧はMPaで示されていますが、動的測定項目がすべてMPa単位で直接表示されるという意味ではありません。総圧・平均圧などの扱いは、公式仕様の項目と定義を確認してください。

プレスケールモーションの基本的な使い方の流れ

公開されている公式情報から整理できる基本的な流れは、次のとおりです。アプリ内の細かなボタン名や画面遷移は、利用時点のクイックマニュアルと公式サポートで確認してください。

  1. 対応する専用フィルム、コントローラ、モバイル端末を用意する。
  2. フィルムとコントローラを接続し、接続状態を確認する。
  3. フィルムごとに設定されたキャリブレーションファイルを、モバイル端末で使用できる状態にする。
  4. プレスケールモバイルを起動し、BLEで面圧センサとモバイル端末を接続する。
  5. 加圧中の動的面圧データを測定・表示する。
  6. 必要に応じてデータを保存、再生、TSV形式で出力し、静的データとの併記や分析を行う。

専用フィルムは1枚ごとにキャリブレーションファイルが設定されています。使用時のキャリブレーション作業は不要とされていますが、フィルム交換時には識別番号に対応するファイルの設定が必要です。

対応端末と主な仕様

公式仕様で適用端末として示されているのは、iPad第10世代、iPad Air第4世代・第5世代、iPad mini第6世代、iPad mini(A17 Pro)です。適用OSは16.0.3以上とされ、モバイル端末は別売りのため利用者が用意します。

コントローラのAD変換は8bit、計測ポイントは1024(32×32)、周波数は約30Hzです。これらは公式仕様として示された数値であり、測定精度や通信性能を保証する数値として解釈しないようにしましょう。

利用には、プレスケールモバイルのライセンス登録に加えて、プレスケールモーション専用の拡張ライセンス登録が必要です。

導入前に確認したい注意点

  • 対応端末、OS、フィルムサイズ、推奨対応圧、通信方式、ライセンス要件などは変更される可能性があります。
  • コントローラの充電には、公式マニュアル上、対応iPadに付属のType-Cケーブルの使用が推奨されています。
  • 測定前にフィルムとコントローラの接続状態を確認し、公式マニュアルの安全注意事項に従ってください。
  • フィルム識別番号に対応するキャリブレーションファイルの設定方法は、公式案内を確認してください。
  • アプリの詳細な設定項目やトラブル対応は、公開されているクイックマニュアルだけで判断せず、公式サポートで確認してください。
仕様は公式ページで最新情報を確認本記事で紹介した対応端末や仕様は、2026年9月時点の公式情報をもとにしています。購入・導入前は、富士フイルムの製品ページ、仕様ページ、サポート情報で最新の対応状況を確認してください。

まとめ|プレスケールモーションとは動的な面圧変化を見るシステム

プレスケールモーションは、専用フィルム、コントローラ、プレスケールモバイルを組み合わせ、加圧開始から終了までの圧力分布の変化をリアルタイムに可視化する動的面圧センサシステムです。

総圧、平均圧、面積(ドット数)、均一性を確認でき、データの保存・再生・TSV出力にも対応します。最大加圧時の静的データとは役割が異なるため、両方を組み合わせて評価したい場合に仕組みを理解しやすい製品です。対応端末、ライセンス、フィルムごとのキャリブレーションファイルなどを事前に確認し、最新情報は公式サイトで確認しましょう。

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